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私の言葉に、急に顔をゆがめて
「今の、ずしーんときちゃったぁ、せんせぇ」
と、その女性は涙を流された。
実は、息子さん夫婦と折り合いが悪いとのこと。
以前から、お嫁さんが「おじいちゃんおばあちゃんが、子供に甘いものを食べさせるのが嫌。2度と実家へは行かない。」と怒っていたそうだ。
せめて、と野菜や果物を送っていたのだが、それも毎回夫婦喧嘩の種になるから「もう送るのはやめてくれ」と息子さんから言われたとのこと。
きついお嫁さんだなと思ったが
私にも同じようなことがあったことを思い出した。
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幼かった子供達を泊めてもらい、翌朝迎えにいくと
姑は「幼女殺害犯の画像を見せて『世の中にはこんな怖い人がいるから気をつけなさい』と教えていたのよ。」と言って、朝ごはんにコンビニの三色団子を食べさせていた。
それを見て、2度と子供達を泊めるのはやめようと思った。
姑が冗談で「将来はボケて迷惑をかけてやるから」と言ったとき、”私の実父が認知症を患っていることを知っているのに”と怒りが抑えられず「ボケという言葉は悲しいので、冗談で使わないでください」と言ってしまった。
しばらくして、主人と母子喧嘩をした姑から「ボケと言うなとか、細かい言葉のことまでいちいち言ってくるような頭のおかしい夫婦とは、金輪際付き合いたくない」と電話で怒鳴られた。
主人は「縁を切ってくれていい」と言ったが、私にはその勇気がなかった。
姑に謝り、関係を切ることなく10年が経った。
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今思えば、当時の私には全く余裕がなかった。
小さな子供達を育てるのは、とてつもなく大変だった。
なにもかも思い通りにしたいから、とてつもなく大変なのだ
ということが、当時の私にはわからなかった。
いつも神経を張り詰めていたので、誰かを敵にしないといられなかったような気がする。
私は、姑を敵視して悪いところばかりを見て腹を立てていた。それは隠していても相手に伝わり、姑からも攻撃されてしまったのだと思う。
それ以降、姑からきつい言葉を言われたことは、一度もない。
女性のお嫁さんもきっと、必死で育児をしているのだ。
頑張って頑張って、周りが見えなくなるほどに頑張っているのだ。
お母さん達の肩の力が抜けたらいいな
と切に思う。
そのために私にできることは、
持って生まれた自分の質を知り
本当の自分を生きること
相手の質を知り
争いのないコミニュケーションをすること
を伝えることだ。
生年月日からは、驚くほど自分のことを知ることができる。
そして、自分を深く知ることは、究極の癒しだ。
冒頭の、私が何気なく放った言葉は
「みんな、ただ幸せになりたいだけなんですよね。」だった。