【マウントアダプター】なぜLマウントはm43レンズをつけられるようにしなかったのか?
パナソニックから出ているフルサイズのライカLマウントとマイクロフォーサーズマウントには互換性がありません。
マウントアダプターをつけれるかどうかはフランジバック(映像素子からマウント面までの距離)の差が関係しています。
ボディマウント側のフランジバックがレンズマウント側のフランジバックより短ければ、物理的にはマウントコンバーターを作ることができます。(電子接点などを設けようと思うとよりスペースが必要になるかもしれません)
ライカLマウントとマイクロフォーサーズマウントはフランジバックがどちらも約20mmでほぼ同じ為、マウントコンバーターをかます余地がなく、物理的にできないのです。
それなら、ライカLマウントのフランジバックをもっと短くしたらよかったんではないか?
そう思われるかと思いますが、現在フルサイズで一番短いフランジバックがNikon Zマウントの16mmなので、それより短くするのは物理的に支障を来すサイズになってしまうと思います。
それなら逆にLマウントのフランジバックを長くして、マイクロフォーサーズのボディにLマウントのレンズをつけられるようになぜしなかったのかな?という疑問が出ます。
Lマウントのフランジバックを長くしなかった理由
これにはいくつか理由があると思います。
キーワードとなるのは「Lマウントアライアンス」です。
Lマウントは当初、LEICA・パナソニック・SIGMAの三社で立ち上げた共通規格です。
各社の思いを考えると、理由が見えてきます。
LEICA社の考え
おそらく、LEICA社はライカMマウントのレンズをLマウントのカメラにつけられるようにしたかったのでしょう。
現に、LマウントボディにMレンズがとりつけられるマウントアダプターが販売されています。
アダプターをつけていても目立たず自然に使えるサイズ感、これありきでLマウントの設計を考えたといっても過言ではないのかもしれませんね。
パナソニックの考え
パナソニックとしては、マイクロフォーサーズとフルサイズを展開しており、できればマウントアダプターでフルサイズのレンズをm43のボディで使えるようにしたかった、と考えられます。
電池もフルサイズとm43機で一部共用しているくらいですから、レンズもしたいと思ってたと思います。
その方がm43ユーザーもLマウントのレンズを買ってくれて売り上げ上がりますし。
しかし、その野望は叶いませんでした…
SIGMAの考え
SIGMAは、fpシリーズやfpLシリーズを見ても分かるとおり、できるだけコンパクトにシリーズを展開したかったと考えられます。
フランジバックが長くなりますとその分ボディも分厚くなってしまいます。
なので、SIGMAとしてはできるだけフランジバックを短くしたかったのではないか、と考えられます。
三者で話し合いの結果
よって2:1で、パナソニックの意見は通らず、LEICA・SIGMAが考えるフランジバックの短い方の案が採用されたのではないか、と考えます。
パナソニックには痛手な2マウント
これはパナソニックにとっては痛手だったと思います。
製品発表会でも「マウントコンバーター使えるようにしたかったんですが…」みたいな声も聞いた気がします。
考えてみますと、マイクロフォーサーズユーザーがフルサイズのカメラを持つときには、LUMIXを持つメリットは少なくなってしまうんですよね。
もちろん、バッテリーが同じとか、UIや色合いがそろってて使いやすい、といった部分は有りますが、決定的にはなりません。
それどころか、CANON EFマウントやNikon Fマウント、Pentax Kマウントであればコンバーターが存在していますので、m43でレンズの共用ができます。
Nikon Zもまだちゃんとしたmftのマウントアダプターは出ていませんが、出るのも時間の問題かもしれません。
そう考えると、「ん?マイクロフォーサーズに別マウントのカメラを買い足すなら、LUMIXのフルサイズ機買うより他社のフルサイズ機買った方が便利なんじゃ?」って思いました…