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会えない時間の中で、わたしたちのつくりたい世界とありたい姿、そして未来への希望をえがきました
2017年2月14日、3年前のバレンタインデーの日。
わたしたち「morning after cutting my hair, Inc.」は産声を上げました。
——たくさんの課題や変化の多い現代に、心ときめくことの価値を忘れずに生きている人たちがいる。
華やかではないかもしれない。有名ではないかもしれない。
冴えなかったり、不器用だったり、うまく伝えられなかったり、
あんまり「上手な生き方」は、できていないのかもしれないけれど。
それでも、心の中の灯火を絶やさずに、ときめくことを忘れずに、自分にとっての大切なものでだれかの幸せを生み出せたなら。そんな風にただ純粋に、頑張っている人たちがいて。
わたしたちは、そんな人たちの想いに寄り添い、
ともに伝える会社でありたい。
世の中にある「課題」に挑むその想いを伝え、
感動と共感の力で未来をつくる——
それがわたしたち、morning after cutting my hair,Inc.です。
今回のnoteでは、そんなわたしたちが持っている思想と、会社のビジョンについてをお話できればと思っています。
1.わたしたちは「あり方」は決めていたけれど、ビジョンは決めていなかった
わたしたちは現在、それぞれに別の活動や事業を抱えるメンバーも含めた4名と数名のインターンメンバーで活動をしています。今は偶然にも全員女性で構成されている会社なのですが、どこが頑固で、自我が強いメンバーのあつまりでもあり…。笑
「常に変化し続けるこの時代に、そのときその瞬間に決めたVISIONというものに果たして意味があるのだろうか」と、よく会社や団体を立ち上げる時に「絶対に大切だ」と説かれるVISION/MISSIONについて、わざと決めないスタイルをとっていました。
ただその代わりに、設立前の段階から自分たちがどうしても大切にしたいという「譲れないこと」を決めていて、全員がそこに共感していたからこそ、今まで運営できてきたんだと思います。
PHILOSOPHY
・わたしたちは、恋に落ちた相手としか仕事をしないと決めています
・お金以外の等価交換でも仕事を受ける
・より良い社会、未来へ向かうものを選択する
代表の田中美咲と、共に立ち上げた中西須瑞化・小泉明子の、すでに共通言語のある3人で約2年運営し、3年目には、この3人と数年前から一緒に活動する仲間であった井口香穂が入社。
それぞれが互いの強みと弱みを知り、役割分担ができていたこともあって、「VISIONやMISSIONを描かなければ進めない」という、企業論的あるあるの感覚さえもなく、ここまで突き進むことができていました。
しかし、防災、気候変動、伝統文化の衰退、孤独や孤立...と、様々な社会課題に携わる中で、一貫してわたしたちの哲学や姿勢は変わらないものの、どこか言い表すことのできないモヤモヤが生まれ始めました。それは、相談のご連絡が増えていくことで、自分たちのキャパシティ以上のリクエストがあったことがきっかけになっています。
限りあるリソースの中で、「取捨選択しなくてはならない」となったときに、これまでであれば上記PHILOSOPHYにあるように、「恋に落ちるほど好きになった人としか仕事をしない」と決めていることで選べていたものが、さらにその中でも「わたしたちが今一緒にいるべき相手は誰なんだろう」と考える必要性に迫られるようになったのです。
つまり、わたしたち自身が描く世界って何だっけ?どんな世界にしたいんだっけ?と、「社内の舵を切るためのもの」ではなく、「力の最大化をするためのもの」としてのVISIONが必要だと感じ始め、このことについて話し合うことが自然に多くなっていきました。
会社が3年目になった今、次の5年、10年を見据えて、自分たちが向かう先を今一度見つめ直したいと思い、自粛期間中の数カ月にわたってみんなで数え切れないほど話し合い、理想の社会をまとめた...という経緯があります。
2.会えない時間だからこそ、何度も熟議する機会を用意した
新型コロナウイルス感染症が世界中で蔓延し、日本では正式な判断だけでなく個々の判断によって2~7月くらいまで、できる限り外に出ない「自粛期間」を設けていたかと思います。今だって、特に用もなければ基本は家や地元のカフェでのリモートワークをしている人も多いでしょう。
わたしたちは、これまでも基本はリモートワークだったので、この働き方の変化をとくに「変化」と感じることもないまま自粛期間に入りました。それでも、やはり少しずつ感じる「自由選択の上でのスタイルとしてのリモートワーク」と「自粛としての生活」の違いやストレス…。以前から日常のコミュニケーションをslackとfacebookメッセージで行ってきた私たちは、そうしたものを含めた日常の機微や考え事を、気軽なつぶやきとして共有するようになりました。
これまでにも時々、「こんな世界っていいよね」と未来の社会や世界について呟くことはありましたが、このコロナ渦において、やはりより一層「未来」や「暮らし」や「大切にしたいもの」に視点が向いたのは事実かもしれません。
そして、隔週で行う定例MTGの議題の最後の方に「6)その他」という項目でちらっと時間があれば話をするようになり始めたりもして。
そんな「なんとなく」の議題が、コロナによる世界の変化も含め、気づけば「1)わたしたちが作りたい世界」というトップにくる議題に変わり、どんどん重要度と緊急度が高まり、毎回ミーティングの一番最初に話す最重要議題になっていきました。
● STEP1:個人の作りたい未来を洗い出す
まず、わたしたちはオンラインサービス「miro」をつかって、個々人がどんな社会がいいか、どんな世界であってほしいかをとにかく時間をかけて出しまくりました。
このmorning after cutting my hair,Incという会社が代表田中美咲の持ち物であるとか、株主の物であるとかを考えることよりもまず、わたしたちは「組織や企業は個の集合体である」と考えているからこそ、企業が現場や文化のことを理解しないトップダウンのビジョンなど意味はないと考えています。
あくまでみんなが描きたい未来の方向性をまとめていくということが重要だと考えて、このように、まさに「全員で」考えていきました。
● STEP2:自分たちがやるべきこと、他者がやることを整理する
そして次に、その作りたい未来・社会に対して、冷静かつ俯瞰的にものごとをみて「わたしたちだけでは解決できないのではないか」と疑いをもち、これらを実現するにあたって
1.自分たちがやるべきこと
2.協力者に頼むこと
を色分けしていきました。
下の図でいえば、ピンクが自分たちがやるべきこと。ブルーが他の団体や仲間たちにお願いすること。
「それってわたしたちがやること?」と何度も繰り返し議論していきました。これは、「他人任せにする」というよりも、「限りあるリソースを最大限活用するための取捨選択」だと考えています。
● STEP3:時間軸と粒度を整理する
STEP2のあとに、粒度の異なるものや時系列の異なるもの、統合できるものを捉えながら整理したのがこの表です。
3-5年、5-10年、10年以上先の未来はどうありたいか。わたしたちはそこにどう寄与するのかを話し合い、足りなければ追加し...を繰り返していきました。
● STEP4:共通言語化
そしていざ整理されたところで、「わたしたちがやること」としてここまで紡いできたものを、よりメンバー間での齟齬のないよう丁寧に言語化していく作業を行っていきました。言葉の定義から、その言葉以上のものまでゆっくりと確かめていき、時に言葉では伝わりにくいものはイラストにし、整理していっています。
言葉と、定義づけ・意味づけ、イメージングを何度も行き来することで、「なんとなく似たようなことを言っている」くらいから、少しずつみんなが「みえてきた」「それは同じだね」と感じるようになっていきます。
● STEP5:言葉のニュアンス調整
ここからようやく、新たな仲間集めや、パートナー企業・団体など外部の人に伝えても齟齬の出ない表現に「言葉のニュアンス整理」をしていく作業に入ります。もちろん日本語では自分の言葉で補足できたとしても、たとえば端的に伝わるのが英語だとしたときには、英語での表現も同時に検討していきました。
ざっと、1シートに1ヶ月くらいの時間をかけ、少しずつ少しずつ紡いできたこの「わたしたちの作りたい社会・未来」は、まさにわたしたちが実現したい世界そのものの可視化になっていったと思います。
なにより、言語化・VISION化せずとも私たちは同じ方向を向いていたんだなということを改めてわかったことも、よりわかりやすく形にすることでモヤが消えて晴れ渡る空の下にいるような気分になれたことも、この工程を経て得た大きな収穫になりました。
3.ようやく言語化した、わたしたちのこだわり
わたしたちが最も重要視すべき作りたい未来・社会のありたい姿は、大きく分けてこの3つであることがわかりました。
1. 価値の多様化と 価値観の相互承認
Mutual recognition of diverse value
2. 選択の自由と 自律的な選択を可能に
Enable freedom of choice and independent decision
3.地球や自然 テクノロジーと人間の共存
Coexistence of humans, earth, nature, and technology
この3つを同時に実現しうる世界、その未来に向けて貢献していくことが、わたしたちの力を最も発揮すべきポイントだということです。
そしてこれらに向けて、次に紹介する「VISION MAP」では、3~5年以内に実現すること、5~10年、10〜30年で実現することという段階をつけて可視化をしました。
もちろん実行に移す中でどんどんスピードアップしたり、あっという間に達成するかもしれないし、そうでないかもしれない。不確実で変動的な世界は、今のわたしたちの想像を絶する状況になっていくかもしれません。それでもわたしたちはこの世界を作りたい。そのための最善の手段を選ぼうと、そう思っています。
4.言語を超えた共通のイメージへ
ここまで4ヶ月かけて熟議し作ってきた「自分たちの作りたい未来はなにか」。言葉にするだけではなく、少しでも多くの人と共にそのイメージを共有するために、わたしたちはVISION MAPを作成することにしました。
かねてからわたしたちの思いを理解して、素敵な表現を生み出してくれるのでは...ずっとチェックしていたクリエイティブユニットuramabutaさんにお願いして、「目で見てわかる・見えるもの」にしていただいたVISION MAPがこちらです。
(上:日本語ver / 下:English ver)
イラスト:クリエイティブユニットURAMABUTA
横軸が「実現したい社会の要素」、縦軸が「時間」となっています。
イラストへのこだわりは、わたしたちのメインカラーであるブルー・ピンクを中心とするだけでなく、言葉にもあるように、人間も多様でありたいし、人間とその他との融合も伝えたいという想いを中心に据えて依頼をさせていただきました。
髪の毛のカラーも、肌の色も、身体的な特徴も。そしてできる限りジェンダーレスで、年齢などもわからないものにしてもらいました。
5.これからもぜひよろしくお願いします
そんなわたしたちは、このVISION MAPにもあるように「熟議」をとても大切にしています。これからの時代において、日常生活の中にある様々な社会課題を捉えつつ、すべての存在と共に生きていくために必ず重要な能力になってくると感じているからです。
その「熟議」を得られる機会創出にもなる研修事業の開発・実施なども、現在進めています。
2020年に入り、この夏はあっという間に過ぎていったという方も多かったと思います。未だ渦中にあるなかで、これから何を・どのように・どこに伝えていけばいいのだろう、どのような未来に向けて自分たちは進めばいいのだろうと迷っている方もいるかもしれません。
引き続き、わたしたちはこの度作成したVISION MAPの世界の実現に向け、社会課題解決に特化したPR・企画の会社としてのお仕事も受けさせていただいております。
このnoteでご紹介したように、外へ向けて発信する「PR」のみならず、インナーPRや内部での思想整理なども得意としていますので、もしご興味を持ってくださった方がいれば、ぜひWEBよりお問い合わせいただければ幸いです。
わたしたちの思いの詰まったWEBサイトも、ぜひご参照ください!
https://macmh-inc.com/
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