トゥインキーは私の最高の友達です

JELLO BIAFRA率いるDEAD KENNEDYSの1stアルバム、FRESH FRUIT FOR ROTTING VEGETABLES。
俺がはじめて買ったのはVAP盤のCD「暗殺」で、このタイトルは当時の再発シリーズ、GBHの「襲撃」、EXPLOITEDの「狙撃者」とともに、一連の邦題つけ放題の一環かと思っていたのだけれども、そもそも最初の発売元はケンウッドの子会社トリオレコードとあり、テイチクのそれとはちょっと事情が違うようである。
そうしてよくよく調べて見ると、あの車が燃えているジャケットの写真は、ジャケットのためにもちろんわざわざ燃やしたわけではなく、ひとつの事件の記録写真で、1978年に起こった、WHITENIGHT RIOT(白夜暴動)での、警察車両への放火を撮影した写真とある。
おおっ、本当だ。よく見たら燃えてるのパトカーじゃん。
この暴動は、ゲイと公言したうえではじめて当選したサンフランシスコ市議会議員であった活動家、ハーヴェィミルクが、同じく議員のダンホワイトにより議会庁舎で射殺された事件の裁判結果(精神鑑定による減刑)に納得のいかなかったゲイコミュニティを中心とした急進的な自由主義の人々が、ダンホワイトに対して死刑を要求する抗議から発展し、さらに破壊活動および警官に対する暴行にまで発展した事件である。
事件に対しての詳しいいきさつは映画や書物、またネットにもたくさん記載されているカリフォルニアのリベラル左派のターニングポイントになった事件である。

なるほど、それで「暗殺」なのか。この邦題をつけた当時の担当者の方はこの事件とカバー写真を知った上で、わざわざ原題の FRESH FRUIT FOR ROTTING VEGETABLESSを捻じ曲げてでもこのタイトルに収めたとは恐れ入る。
が、しかし、当のビアフラ本人はなぜこんな奇妙なタイトルで、アメリカの民主主義の闇と保守の恐怖が交錯したケネディ暗殺事件を冠したバンド名に対して正反対な事件の写真をカバーにもってきたのだろうか?
そう思い、もう少し探ってみると、ちょっと面白い言葉遊びに遭遇した。
以下はわたくしの憶測が多分に含まれています。これはそのまま真実ではなく、そうだったら面白いなと思う考察です。

まずFRESH FRUIT FOR ROTTING VEGETABLESを直訳すると、「野菜を腐らせる新鮮な果物」となる。
このままでも十分に不穏な雰囲気を醸し出しているのだが、意味がまあよくわからない。
そこで、スラングでこのような言葉が存在するかということをちょっと調べてみたところ、はたして、あった。
「フルーツ」はゲイをあらわす隠語で、フレッシュフルーツはゲイボーイとある。なるほど。
「野菜を腐らせるゲイボーイ」か。でもまだちょっと意味がわからないなぁ。
続いて「野菜」を調べてみると「二流政治家」と出てきた。これは関係ありそうだ。
「二流政治家を腐敗させるゲイボーイ」ね。いや、これあんまりじゃないか?
こんなに直接的なタイトルを、KILL THE POORという歌を作った人間がつけるとは思えない。
さらに検索するとき、英語のちょっとしたタイプミスでFRESHをFLESHと打ち間違えたところ、インターネット検索にある、もしかしてあなたが検索しているのはこれじゃないですか?と以下のものも含めた検索が出た

「FLESH FLUTEではありませんか?」

え?肉の笛!?そんなのあるんかい!?だってそれって…と思い検索したところ、やはりそのものずばりオーラルセックスのことであった。
しかも、フレッシュフルーツと発音としては非常に近いから、FRESH FRUITはオーラルセックスのスラングであると。
待て待て待て待て。なんだそれは!?なんなんだそれは!
そうするとさっきの意味も違ってくる。FRESH FRUIT FOR ROTTING VEGETABLESは、「二流政治家を腐敗させるゲイボーイ」じゃなくて、
「腐った政治家のフェラチオ」ってことのなるのか。うーん。じゃあもしかしてVEGETABLESにも違う意味があるのかもと思い調べたら、
これが半端なく遠くって、まあぜんぜんお話にならないまま頓挫したところで次回に続く。

おまけ。

最初に裏ジャケットを見たとき、DEAD KENNEDY′Sって、ラッパがいるバンドなのかなあ、それはちょっとやだなあ(偏見)と思った首無しバンドの写真。
このバンド、なんと実存した!
この写真を使った理由は「愉快だったから」だって。

http://digitalmeltd0wn.blogspot.jp/2009/10/dead-kennedys-fresh-fruit-for-rotting.html

いいなと思ったら応援しよう!