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絶滅へのレクイエム〜ドードー
ドードーと言えば、「不思議の国のアリス」で有名な飛べない鳥です。
童話で有名だからと言って架空の生き物ではなく、かつてはモーリシャス島に生息していた実在の鳥で、人間によって絶滅させられました。
人間が島に来る前は、天敵がいなかったため警戒心も薄く、飛べない上にのんびりした性格で動きものろく、人を見ても逃げなかった様です。
そのため外来の捕食者にとっては格好の餌食で、人間による、食用だけでなく、娯楽や見世物としての乱獲、森林の開発による生息地の破壊、人が持ち込んだ犬やブタ、ネズミなどに雛や卵が数多く捕食されて、存在が報告されてから83年で目撃例もなくなり、絶滅してしまいました。
ドードーが絶滅してから、島にある大木、タンバラコクという木も若い木が育たなくなりました。
ドードーがタンバラコクの木の実を食べ、その糞から出てきた種が発芽していた様なので、今島にあるタンバラコクは一番若い木でも樹齢300年、ドードーが絶滅する前に生えていた木です。
このため、タンバラコクは別名ドードー・ツリーとも呼ばれています。
自然の生態系は常にバランス良く調和しており、それが人為的に破壊されて行くのは悲しい限りです。
ドードーは写真は勿論、完全な剥製すら残されていないので、どういう色でどんな顔をしていたのかは、わずかに一つずつ残されている頭と足の骨から想像するしかありません。
ドードーの絵は数多く描かれていますが、私が描いたらこの様になりました。
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本日から開催の、近代日本美術協会春季展に「絶滅へのレクイエム〜ドードー」出展しています
4月8日(月)〜13日(土)11時〜17時(最終日13日は14時迄)
東京交通会館B1ゴールドサロン・ギャラリー玻瑠
期間が短いのですが、お近くにお越しの際は是非お立ち寄り下さい。
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