《息抜きエンジニアリング》Lv.36 売れるモノを開発・設計する
売ることに興味のない技術者がいるようですけど、私は売ることも大好き。また、開発・設計では、マーケティングや要件定義がすごく重要だということを、身をもって体験します。(この的が外れていると、最終的に開発中止になるのです。)
よく付加価値をつけると言われますが、私は、バランスの取れた付加価値をつけることが重要だと思います。むしろ不要な付加価値は削った方がいいとも思っています。
例えば、
お題『利益の出る牛乳』を開発・設計しろ
牛乳は、1リットルの紙パックで売られていて、安いもので140円、高いものだと250円。もっと高いものもありますよね。
何を売るにしても、大きく2つの派に分かれると思います。
・高く売る派 →付加価値をつける
・安く売る派(お値段以上の値打ち) →コストダウン
これってターゲットを絞って、両方バランスよく成立しているモノを見ると、考えた人スゲーな、って思うんです。例えばこちら。
1パック100mL!!だいたいスーパーで4パックで200円前後。コスパ最悪ですよね。
でも、うちの子とか、ストローで飲むのが好きなんです。コップで飲むより楽しいですよね。⇒付加価値
飲み切りやすい、持ちやすい、100mLサイズ。これ意外とないです。⇒付加価値
デザイン、フリー素材っぽいけど、なんだかかわいい。⇒付加価値
子供に楽しく牛乳を飲んでもらおうと考える親なら、この価格はお値段以上と思える。
ターゲットは子供ではなく、実は牛乳を飲まない子供を持つ親です。
さらに付け加えると、牛乳瓶に変えたり、特別な牛の牛乳だったり、とか、買い手(親)にとってムダな付加価値が付いていない。
実は、これ、設計はされているけど、開発はされていないと、私は思うんです。。というのも、牛乳自体は新たに開発していないでしょ?(違っていたらごめんさなさい)今までにもあるような紙パック(小さいですけど)を採用したり、今までにもあるようにプリントしたり、ストローをつけたり。すべて既存の技術です。
でも、これ重要です。
開発(できるかどうか解らないどチャレンジ)は、経験値のある人にしかできないのです。経験値の少ない人は、必ず成功させたい、期日までに成功させたいという時には、チャレンジできません。
この商品を、うちの妻が買っていたとき、さすが江崎グリコだと唸りました。私もこんな完璧な設計がしたいですよ。