電柱の変圧器がキングジョー
どんよりと曇った夏の夕暮れ時、近所で犬の散歩をしていたら、なんかやけに上の方から視線を感じるので気になって仕方ない。
「もしかして俺、誰かに見られてる?」
いやいや、そんな事はないだろう。自意識過剰のそのまた過剰だろ。誰が好き好んで、犬の散歩してる50過ぎのオッサンを眺めるもんか。
100歩譲って見られてるとしても、それは私ではなく、よくチワワと間違えられる愛犬のパピヨンの方に決まっている。そんなことはわかり切ってる。
しかしうちの子は16歳。ドッグイヤーで計算すると7倍だから、人間にしたらなんと102歳!女の子なのでかなり長寿のお婆ちゃんということになる。昔よくテレビに出ていたキンさん・ギンさんと同じくらいの年齢なのか~。とても100歳超えてるようには見えないんだけど。ドッグイヤーというものを疑ってしまう。
とはいえ、たしかに、耳は聞こえなくなり、目は白内障でよく見えてないし、歩く速度もかなり遅くなっている。散歩の距離も、以前の3分の1を倍かけて歩いるている。確かに体力でいったら90歳くらいなのかもしれない。
ただ、如何せん、見た目が若い時とあまり変わらないから、とても102歳には見えない。なんなら35歳の独身女性でも通りそう。人間だったら世紀の美魔女としてモテはやされちゃうな~。
でも犬だから美魔犬になるのか。魔女はいいけど、魔犬は怖いな。
なるほど。35歳の独身女性犬なら、いろんな人に見られても仕方ないな~。まあまあの美形だし。そういえば、散歩ですれ違う犬たちもみんな見てくるわ。そしてうちの子はそれを無視。さすが美魔犬。
まあまあ、別にスナイパーに狙われてるわけじゃないし、犬が見られているのならまあいいか。気にしないことにしよう。
だけど少し前、うちのが小型犬であることをいいことに、カラスの野郎が突つきに来たことがあるらしいから、もしやカラスの視線では?と、危険回避のために慌てて周囲を見回してみたところ、その視線の主が判明!
まるでジョジョのスタンドのようにターゲットを狙いすまし、今にもビームを浴びせてきそうなその視線の主は、驚くことに、電柱の変圧器だったのだ!しかも2器!!
単位がボルトなのかアンペアなのかメガヘルツなのか良くわからないけど、100と10の数字がタトゥーのごとくボディにペイントされた冷徹な雰囲気を醸す親子の変圧器!まさに子連れ狼の如し!!
その風貌は、いかにもエレキ系の攻撃を得意とし、パッと見はウルトラセブンに出て来るキングジョー!でも実際に比べて見ると、そんなに似てない。イメージ先行で言っただけ。
ちなみにキングジョーはこれ。
画像元:プレミアムバンダイ「アルティメットルミナスキングジョー」
実は、キングジョーを操っているのはペダン星人なので、あの電柱にくっついているキングジョーは、仮に攻撃して来たとしても自分の意志ではなく、誰かに操られている可能性がある。
地域的に言うなら、操っているのは〇州電力ということになるが、もちろんこの話はフィクションであるため、その疑いは忘れて良いだろう。
ちなみにペダン星人は、こんな感じの策略系の宇宙人。
画像元:円谷ステーション「ペダン星人、衝撃の立体化!!」
メロンにジェット機の両翼と触角を生やしたマスクを被った全身タイツの人間にしか見えないけど、だいたいウルトラセブンで操ってる系の宇宙人はこんな感じでほぼ人間。
(そんな嫌味なことを言っていても、ウルトラセブンは大好き)
今後、電柱の変圧器には注目していきたいと思います。