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コンサル営業の生産性を上げるオファリングの作り方

ITの非プロダクト、サービス営業、コンサル営業の難しさ

売り物が明確でない中での営業を強いられる彼らの苦労は多いです。
スペックが明確でないからお客様にお約束できることがないし、
売り込むにしてもお客様に何を分かってもらえばいいかが不明確だからです。
そのため、お客様とのコミュニケーションを深めることが難しいのです。
ようやくお客様から”提案依頼らしきもの”を持って帰ってきても、
コンサルタントやSEに
「これじゃ全然状況が分からない」
とか
「うちが提案する意味があると思えない」
などなどの、ネガティブリアクションが待っていたりします。
お客様とのコミュニケーションもしんどいし、社内からのリスペクトも得られなかったりすると、モチベーションも上がらないですよね。。。

”売り物”を作って営業に武器を持たせよう

”売り物”=「オファリング」です。
それぞれの会社ごとに出来ることをパッケージ化したものです。
営業には、そのオファリングを持ってお客様のもとに訪問してもらいます。

うまいオファリングが作ることができれば、
「売り込むにしてもお客様に何を分かってもらえばいいかが不明確」
という対お客様のコミュニケーションを解決すると同時に、
社内からの
「うちが提案する意味があると思えない」
を解消することができます。

営業も自信をもってお客様とコミュニケーションすることができます。
強いオファリングを作ることができれば最高ですが、
ひとまず「無いよりはまし」なものができれば初めのうちは十分です。

オファリングに必要な要素「~のための」

売り物であるオファリングに最も大事なのは、
「誰のための」
の部分です。

  • ○○という課題を持っている企業のための~

  • △△のような施策に取り組んでいる企業のための~

  • 将来的に□□になりたい企業のための~

が明確でないと意味がありません。
間口を広げすぎてもいけないし、狭すぎてもいけないので、知識や経験が必要な部分です。
これは、課題仮説です。
「おそらくこのような課題が発生しているはずだ」ということを「誰のための」という形で表現します。
表現の仕方に制約はありませんが、課題より「~のための」のほうがポジティブな表現なので私自身はこの形を好んでいます。

逆引きで作るオファリング

オファリングの基本型を教えましょう。資料は4枚です。

  1. ~のための  = 課題仮説

  2. ~すべき   = 課題解決のための施策

  3. こうやって  = 施策を実施する方法

  4. 最初の一歩  = 最初の契約の提案書の範囲・期間・金額の例

過去のプロジェクトやその提案書が3と4にあたります。
そこには含まれなかったけども、「こんなこともやれたかもしれない」ということを膨らませると2になります。
過去のプロジェクトの成功要因やどんなお客様に受け入れられたのかを紐解くと1ができます。
ゼロから考えるよりは、過去から学ぶほうが効率が良いですし、ウケた実績がある、ということが営業に自信を与えますし、お客様にも納得していただきやすくなります。
これは営業とコンサルタントやSEが共同で作るのが良いと思います。
コンサルタントやSEだけの視点だとマニアックになりがちなところを、
営業からの視点で分かりやすく、明快にし、いい意味で画素数を下げることが必要だからです。
また、もちろんのことですが、営業単独で作ることはできません。
3と4は営業は分かっているべきではあるのですが、実際にデリバリーしたコンサルタントやSEの生々しさがないとお客様には響きませんので。

オファリングと提案書の違い

オファリングそのものは売れません。
理由は、そのお客様に向けた内容にフィッティングされていないし、社内の状況も加味する必要があるからです。
残念ながら成功したプロジェクトであっても完全再現することはできないのです。
やはりオファリングは営業ツールなのです。
これを使って、営業はお客様とコミュニケーションをしてリレーションを深め、コンディションを確認しますが、
一定の段階まで来たらコンサルタントやSEが登場して提案書を作ることは避けられません。
提案書はそのお客様のためだけのものですから、型にはまったオファリングとは違います。
「型にはまったオファリング」とお客様とのギャップが分かっていれば、100倍提案書が作りやすいのは想像できますよね。

最後に

どんなオファリングが受けるかは、お客様に持っていくまで分かりません。
営業はお客様の声を聞いて社内にフィードバックすることが必要ですし、コンサルタントやSEはそれを受け止めなければいけません。
そして、オファリングをアップデートしたり、違う形のオファリングを作ったりという改善サイクルを回し続けることで、ウケるオファリングが育っていくことでしょう。

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