#7 人は手でも触るが目でも触る
目で触る。
僕がデザインする時にいつも気にしているのは、手触りです。本当に手で触る物だけではなく、見るだけのグラフィックデザインの時にも、無意識に手触りを考える。紙でも、名刺など手に触るものは手触りが気になる。インテリアデザイン出身の僕のスタイルといって良いかもしれない。
目はとてつもなく高性能で、見ただけで固い、柔らかい、すべすべ、ざらざらといった写真に写らないテクスチャーを読み取ることができる。何かを見た時にすべすべして気持ちよさそーとか、ごつごつして痛そうとか思いますよね。つまり目で触っているんです。
そこに気持ち良さが宿ります。サインは空間の質を左右するアイテムでもあるので、特に気になる。だから手触りまで気にすることが、完成度につながっていると思ってます。
例えばこの、部屋の写真。
写真だとわかりにくいけど、実際目で見ると壁紙はざらっとしていて、扉の枠はペタッと、扉はサラサラでドアノブがツルッとしていることが一目でわかります。
ヘッダーの写真は昔デザインしたホテルのトイレサイン。男女のピクトではなく、フォルムと手触りで男女を表現したもの。石屋さんに磨いてもらったのだが、ツヤ感とフォルムがどうしてもうまく伝わらない。とても均一でキレイすぎるのです。
普段きれいな形、きれいな磨きを求められてるんだから、それは仕方ないよね。うん、仕方ないので大理石は自分で磨くことにした。その時のサンプルの石がこれ↓。
こうじゃなくて
こう
細かすぎて伝わらないモノマネ並だろうか、、
ツヤツヤじゃなくてザラザラじゃなくてサラサラで、平べったいんだけど、もにゅっと柔らかそうなフォルム。そんな仕上がりです。
その甲斐あって、このサインはとても美しい形で収める事が出来ました。
ところで、この目でさわると言うのを言葉で表現したいんだけど、手触りと同義で目触り(目ざわり)だと、真逆の「目障り」と同じ音になってしまう。なんか良い言葉はないだろうか。
フェイスブック投稿後、何人かの友達が考えてくれました。
目でふれる、見心地、見目心地、目探り、、、なかなかぴったり来ません。
僕が思いついたのは「目クスチャー」(オヤジギャグ!)
だめだこりゃ
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