もじゃもじゃ/サインデザイナー

本業はサインデザイナー。色んなことをデザインって仕組みや考え方で解決できないかなーと考…

もじゃもじゃ/サインデザイナー

本業はサインデザイナー。色んなことをデザインって仕組みや考え方で解決できないかなーと考えています。とりあえず肉か甘い物か珈琲を与えると機嫌がよくなります。地方移住7年め。もじゃもじゃは大体30年め

マガジン

  • わたしの商店街クエスト@焼津

    • 48本

    「わたしの商店街クエスト」は、全国の大学生を対象としたサマープログラムです。静岡県焼津市の駅前通り商店街を舞台とし、ちいさなビジネスづくりに取り組みます。5泊6日の合宿を通じて、まちの資源や課題を掘り起こし、リサーチしたことを基に、最終的には月3万円を稼ぎだすビジネスプランを発表してもらいます。

  • デザインをつぶやく

    とにかくデザイナーが日々考えたことや気になったデザインについての「何か」をつぶやいていきたいと思います。質より継続。

  • もじゃもじゃデザイン

  • やさしいデザインの話

    デザインって何なのか?デザイナーってどんなこと考えてるのか。自分が仕事を通じて感じてきたデザインやデザイナーの仕事について、なるべく分かりやすい言葉で書いていきます。 デザイン業界じゃない人や、これからデザインの道を目指す人に伝えたい、 やさしいデザインの話です。

記事一覧

デザイン思考の”その後”を考える

元IDEOの石川 俊祐さん、野々村 健一さんのお2人と、京都芸術大学の早川 克美さんによるトークセッション「デザイン思考の”その後”を考える」に参加しました。 昨年くら…

#11 サインデザインについて語りたい

「サインデザイナー」をやっています。というと「?」という顔をされることが多い。 以前は冗談で著名な人の署名(サイン)をかっこよくデザインする人なんて言ってたんだ…

もじゃもじゃのデザイン【03】 源氏車いす

文様ピクト2「源氏車いす」 「源氏車」は、貴族が宮中へ出入りするときなどに乗った御所車の車輪を文様化したものです。当時御所車は各貴族の権威を示すため豪華な装飾が…

もじゃもじゃのデザイン【02】 ボトル絣

文様ピクト1「ボトル絣」 和文様が好きです。という話を「和文様と印伝」という記事で書きました。その中でも触れたのですが、和文様をベースにしたなにかをデザインした…

#10 和文様と印伝

和文様と印伝。幾何学的なパターンが好きなんだけど、中でも和紋様が好きです。シンプルな繰り返しのパターンの中に、吉祥の願いや魔除けの意味が込められていたり。 去年…

#9 シミュラクラ現象と顔ロゴとキャラメルコーン

顔デザインが好き。シンプルにまるが三つで顔に見える。みたいなデザインが好きです。ミッフィーみたいにシンプルな構成の顔。夢の国でも●が3つのあれを探しちゃう。 そ…

#8  「佐藤可士和の超整理術」が示してくれたこと

「佐藤可士和の超整理術」 佐藤可士和 著(日本経済新聞社) 自分の考えていたデザイナーの仕事を言語化してくれた本。 出会ったのは14年前、前職の百貨店を辞めデザイナ…

#7 人は手でも触るが目でも触る

目で触る。 僕がデザインする時にいつも気にしているのは、手触りです。本当に手で触る物だけではなく、見るだけのグラフィックデザインの時にも、無意識に手触りを考える…

#6 Apple Mighty Mouseを使い続ける

僕が1日で一番長く触っているものは、マウスだ。そして手の延長として最も精度を求めるのもマウス。だからマウスにはかなりこだわりがある。これじゃなきゃ調子が出ない。 …

#5 ディック・ブルーナ

僕のデザインの心の師匠はディック・ブルーナ。 言わずもがな、ミッフィーの生みの親です。でも、彼は同時にとても優れたデザイナーでした。 たくさんのペーパーブックやポ…

#4 カウンターの奥行き

カウンターの奥行は肘から先の寸法がちょうどいい。 これは大学時代の先生の言葉。 家具や空間は、人間が使うものなので、当然人間の尺度を元に決まっているものが多くあ…

#3 トイレピクト

実はトイレのマーク(ピクトグラム)に青い男性と赤い女性の形を使うのは、世界共通じゃないのです。 アメリカだと男性は三角、女性は丸で表示してあったりします。(TDLに…

#2 文字を読める距離

文字の大きさって、読める距離が大体決まってる。文字の高さ寸法に250掛けた位が和文の読める距離。例えば10mmの文字は2500mm先から読める。(今どきはもう2割くらい大きい…

#0 デザインをつぶやくことにした

noteを放置して9ヶ月も経ってしまった。 あまりに使わなかったせいで、この記事を書くために書き方を検索し直したくらい、忘れてしまっていた。 デザイナーってどういう人…

デザイナーのアウトプットには30年かかる(その3)

こんにちは、デザイナーのもじゃもじゃです。 デザイナーのアウトプットについての続き(その3)です。 前回(その2)では、僕の失敗経験から学んだ、見た目にこだわるな…

デザイナーのアウトプットには30年かかる(その2)

みなさん、こんにちは。デザイナーのもじゃもじゃです。 デザイナーのアウトプットについての続き(その2)です。 前回(その1)では、やっぱり見た目も大事なのよ。でも…

デザイン思考の”その後”を考える

デザイン思考の”その後”を考える

元IDEOの石川 俊祐さん、野々村 健一さんのお2人と、京都芸術大学の早川 克美さんによるトークセッション「デザイン思考の”その後”を考える」に参加しました。

昨年くらいから、「デザイン思考は失敗だった」「デザイン思考はさしたるインパクトを残せなかった」とか、「デザイン思考は期待外れ」なんて記事が良く目につくようになって、専門学校でデザイン思考を教えている僕は心がざわざわしてました。
ただ、その

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#11 サインデザインについて語りたい

#11 サインデザインについて語りたい

「サインデザイナー」をやっています。というと「?」という顔をされることが多い。
以前は冗談で著名な人の署名(サイン)をかっこよくデザインする人なんて言ってたんだけど、最近はほんとにそういう方がいるらしく、検索するとトップに署名をデザインする広告が出てきたりして、ただでさえ認知の低い僕らの業界がますます分かりにくくなってしまう。ということで、今回は僕の仕事、サインデザインについて語らせてもらいたい。

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もじゃもじゃのデザイン【03】 源氏車いす

もじゃもじゃのデザイン【03】 源氏車いす

文様ピクト2「源氏車いす」

「源氏車」は、貴族が宮中へ出入りするときなどに乗った御所車の車輪を文様化したものです。当時御所車は各貴族の権威を示すため豪華な装飾がされていましたが、その印として家紋が作られたとも言われており、源氏車も家紋として使われています。文様としては派手めなので、着物などでも割と大柄に使われることが多いようです。

「源氏車いす」はまあ、完全なパロディなのですが、ピクトグラムと

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もじゃもじゃのデザイン【02】 ボトル絣

もじゃもじゃのデザイン【02】 ボトル絣

文様ピクト1「ボトル絣」

和文様が好きです。という話を「和文様と印伝」という記事で書きました。その中でも触れたのですが、和文様をベースにしたなにかをデザインしたくて、サインデザイナーとしてはよくオリジナルを制作している、ピクトグラムを文様化しています。

別に仕事でもなく、いや正確には仕事にしたかったんだけど、さまざまな理由で中止になってしまい、今のところその予定が無く。でもなかなかに楽しいデザ

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#10 和文様と印伝

#10 和文様と印伝

和文様と印伝。幾何学的なパターンが好きなんだけど、中でも和紋様が好きです。シンプルな繰り返しのパターンの中に、吉祥の願いや魔除けの意味が込められていたり。
去年は厄除けを願って、アマビエを文様化したものをnoteにアップしたり。

和文様はアラベスクやダマスクのように派手すぎず、線が整理されていて美しい。でも古来から普及している物だし、そこら中で見かけるだけに、実はプロダクト化が難しいと感じていま

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#9 シミュラクラ現象と顔ロゴとキャラメルコーン

#9 シミュラクラ現象と顔ロゴとキャラメルコーン

顔デザインが好き。シンプルにまるが三つで顔に見える。みたいなデザインが好きです。ミッフィーみたいにシンプルな構成の顔。夢の国でも●が3つのあれを探しちゃう。

そもそもシミュラクラ現象が好きです。
シミュラクラ現象とは、人間は3つ点が集まると顔に見えてしまう現象。

シミュラクラ現象(シミュラクラげんしょう)とは、人間(ヒト)の目には3つの点が集まった図形を人の顔と見るようにプログラムされている、

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#8  「佐藤可士和の超整理術」が示してくれたこと

#8  「佐藤可士和の超整理術」が示してくれたこと

「佐藤可士和の超整理術」 佐藤可士和 著(日本経済新聞社)

自分の考えていたデザイナーの仕事を言語化してくれた本。
出会ったのは14年前、前職の百貨店を辞めデザイナーになって8年。自分なりにデザインについての考え方やアプローチがなんとなく見えてきた頃。

曰く、「デザイナーの仕事は整理して課題を見つけること」

それだ!世の中に無いものや誰も見たことがないような奇抜なことを生み出すのがデザイナー

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#7 人は手でも触るが目でも触る

#7 人は手でも触るが目でも触る

目で触る。
僕がデザインする時にいつも気にしているのは、手触りです。本当に手で触る物だけではなく、見るだけのグラフィックデザインの時にも、無意識に手触りを考える。紙でも、名刺など手に触るものは手触りが気になる。インテリアデザイン出身の僕のスタイルといって良いかもしれない。

目はとてつもなく高性能で、見ただけで固い、柔らかい、すべすべ、ざらざらといった写真に写らないテクスチャーを読み取ることができ

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#6 Apple Mighty Mouseを使い続ける

#6 Apple Mighty Mouseを使い続ける

僕が1日で一番長く触っているものは、マウスだ。そして手の延長として最も精度を求めるのもマウス。だからマウスにはかなりこだわりがある。これじゃなきゃ調子が出ない。

それがApple Mighty Mouse。

なんてことない、数年前の純正品。
でも、このマウスのスクロールは超快適なのだ。普通のスクロールホイールと違って、小さいボールが360°くるくる回る。このくりくりが最高に直感的で操作にストレ

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#5 ディック・ブルーナ

#5 ディック・ブルーナ

僕のデザインの心の師匠はディック・ブルーナ。
言わずもがな、ミッフィーの生みの親です。でも、彼は同時にとても優れたデザイナーでした。
たくさんのペーパーブックやポスターのデザインを手掛けていますが、どの色もどの線も、徹底的にシンプルに、絞り込みながらも鮮やかな世界観を表現していて、モダンで美しく、いつもこんなデザインをしたいと思っています。

ブルーナさんのの絵本の作り方はとても独創的。

以下の

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#4 カウンターの奥行き

#4 カウンターの奥行き

カウンターの奥行は肘から先の寸法がちょうどいい。
これは大学時代の先生の言葉。

家具や空間は、人間が使うものなので、当然人間の尺度を元に決まっているものが多くあって、人間の肘先の寸法は大体45cm位。同じく人間の尺度から出来てるお椀やお盆を置くと、丁度この位に収まるのです。
この尺度やそれをデザインに活かす学問を人間工学と言い、椅子の高さもテーブルの大きさも、実はそういう研究から使いやすい寸法が

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#3 トイレピクト

#3 トイレピクト

実はトイレのマーク(ピクトグラム)に青い男性と赤い女性の形を使うのは、世界共通じゃないのです。
アメリカだと男性は三角、女性は丸で表示してあったりします。(TDLに行ったらわかるよ。)
男女のシルエットをつかうパターンはかなり共通認識があるのですが、色については国どころか施設でバラバラ。日本みたいに国民レベルで共通認識がある国って少ないと思います。

更に、ピクトは形で示すためのものなので、本来同

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#2 文字を読める距離

#2 文字を読める距離

文字の大きさって、読める距離が大体決まってる。文字の高さ寸法に250掛けた位が和文の読める距離。例えば10mmの文字は2500mm先から読める。(今どきはもう2割くらい大きいほうが良いかも)画数が少なくて、線と線の離れが判別しやすい英文とか数字は333掛けた位。
色々なデータがあるけれど、これは国土交通省の「公共交通機関の移動等円滑化ガイドライン」で定められているデータ。(出典はもっと前なんだけど

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#0 デザインをつぶやくことにした

#0 デザインをつぶやくことにした

noteを放置して9ヶ月も経ってしまった。
あまりに使わなかったせいで、この記事を書くために書き方を検索し直したくらい、忘れてしまっていた。

デザイナーってどういう人なの?何考えてるの?デザインって何?みたいなことをめっちゃかみ砕いて伝えたくて、「やさしいデザインの話」というマガジンを書いていたのだが、力尽きた。
ひとつは仕事が忙しくて、土日も時間が作れなくなってしまったこと。
もう一つは、記事

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デザイナーのアウトプットには30年かかる(その3)

デザイナーのアウトプットには30年かかる(その3)

こんにちは、デザイナーのもじゃもじゃです。
デザイナーのアウトプットについての続き(その3)です。

前回(その2)では、僕の失敗経験から学んだ、見た目にこだわるならハンパ無くこだわる(1周回って、ではなく100周回る)いうことを書きました。

その3では僕が思うデザイナーに不可欠なことは何かを書きます。

100周回るのは、言うほど簡単じゃない依頼されたロゴを考えるのに100周くらい回りますと書

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デザイナーのアウトプットには30年かかる(その2)

デザイナーのアウトプットには30年かかる(その2)

みなさん、こんにちは。デザイナーのもじゃもじゃです。
デザイナーのアウトプットについての続き(その2)です。

前回(その1)では、やっぱり見た目も大事なのよ。でもそのためにはすごく努力してます。
ということを書きました。
今回は、僕がそう考えるキッカケになった大きな出来事を書きます。

金網に叩きのめされた夜ある商業施設のインテリアを担当した時のこと。
見せ場となる柱を装飾するために、周りにおし

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