「車は走り続ける」
男と女 体を重ねながら 語るストーリー
その物語は虚ろ 宙に浮かんだふたりが語り下ろす言葉に 手触りはない
女が死んだ
男は喪失感
と
生前 女に裏切り続けられたことに
気持が揺らぎ 懊悩する
ただ 男には仕事があり
誰かと関わるうちに
生きることの意味を改めて気づいていく
スクリーンの上で
それを３時間の長尺で伝えた
映画「ドライブ・マイ・カー」の監督
濱口竜介
生きていくことに何とはない疑問 苦しさを抱く人
その難儀に絶望を感じる人
そんな心の中の池に
石ころを投げつける