【つぶやき詩】「後悔」

きょうは　あいつの命日だよ
死んで丸八年　九回忌だ

ぼくはあいつの実家に電話した
３年前は弟が出てきたけれど
おととし去年はつながらなかった
今年も
「この番号は使われておりません」…

彼を悼む気持ちは
ぼくの心の中にしかないんだよ

死の数日前
あいつは　ぼくに電話してきた
「オレ　入院しとるんや　見舞いに来てくれ」
そう言った
ぼくは冗談だと受け止めた
入院していたとして　まさか死ぬとは思わなかった
「行けないよ…」と
塩対応をしたんだ

でも
死ぬ前に会いたい
と
連絡してくる人なんて
今　そしてこの先も
ぼくにはいるのだろうか

「万障」繰り合わせてでも　会いにゆくべきだった―
今も　そう思うんだ

今晩
ぼくは彼に献杯した
酒杯を満たし
あいつに向かって
杯を掲げたさ

そういうことしかできない夜なんだ