【映画批評詩】「あの世の人びと」
男は
ゲイ(gay)よりクィア(queer)と言ってほしいという
ああ 彼らには彼らの事情があり
この世で その感情を抑え
マイノリティとして生きる
その苦悩があるのだろう
今は その世界への社会的関心や理解もあり
同性を愛する人たちが 一定数いることを
多くの人は承知…している
昔よりはずっと 生き易い世になった
そう 映るのだが――
映画の主人公は監督を投影したもので
彼自身が抱え続けたきた重石は
時代が進んでも 決して軽くはなっていない
――そういうことだろう
ぼくはそう捕らえた
彼らの存在は認める
でも
あんまりマジになってくれるな
と
心の中で思うのだ
彼らを排除する考えは微塵もないが
映画から 彼らへの共感はわかなかった
ただ それだけだ