「誰かがやる」
大きなごみも 鼻を衝く臭いもない
整然と車も人も流れ
不愉快な音もしない
安全と 安心と その下で――
暮らせる街
それは誰かが
ごみを集め 道に水をまき
信号が明滅し
それを守り 人 車が行き来し
大けが 大病をしても
輸血がほどこされ
血から作られた薬が命を救う
ひとり ぼくは献血ルームの片隅で思う
あれもこれも誰かがやっている やってくれているから
誰かがやっている
その仕事 事柄を想像する
きっときっと その仕事
誰かが――自分ではない誰かが
やっているのだ
どんな大企業一流企業であっても
「こんな仕事っ」
と
見られる 思われるものがあり
それをやる やらざるを得ない人がおり
回るまわる 仕事も組織も
自分ではない
誰かがやっている
そのことに思いをいたせ
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