「男の勝負」
勝つか
負けるか
負けるか
勝つか――
実をいえば
勝ちの記憶と 勝ち星の数
そんなもの あったかしらん
ほとんどないんじゃないか
そう その点は並み以下だろ
それでも 局面局面で
日々それなりに オレにも 勝負はあったんだ
時々の勝負に 向き合わねばならなかった
挑むというより 逃げてたような気もするが
勝負に巻き込まれるのが 人生 生きること
勝ちの可能性
勝負があろうはずもないのに
オレは タンスの引き出しをかき回す
かきまぜ かきまぜ
勝負パンツを探してる
なんと滑稽な!
そう 思いながら
くたびれたパンツの中から
すこしは 新しい
勝負につながる それを探す
いいじゃないか いいじゃないか
頭の中だけでも
勝負したって…