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「詩人宣言XXⅡ」

9年前の夏 ちょうど今頃
ぼくは この図書館の片隅で
ぼんやりと 時をすごしていた
あれから 9年か 早い

ちょっとしたトラブル
自分のわきの甘さから 巻き込まれてしまい
申し開きができない状況に追い込まれた
あの夏
『しばらくは出社に及ばず―』
との達しがあり
家にもおられず
仕方なく この図書館に 毎日まいにち 通った 時を過ごした

サラリーマンとしては 死刑宣告にも近い処分を受けた
「クビ」にこそならなかったが
普通は経験しないレベルの処断であった
その後 無為の日々を この場所で過ごした

それから よくもまあ 9年近く
おめおめと 実におめおめと
恥ずべき立場を意気地なく受け入れ
かつ 不名誉を不名誉として感じず
平気な顔をして しがみついた
生き恥をさらせるものか
などと
粋がることが 頭をかすめないでもなかった
でも
結果において
ぼくは
おめおめ

生きてよかった

思っている
今更 いまさら
情けない
とか
格好悪い
とか
イキがる自分はいない
これでよかった

今の自分を受け入れる
清々しいくらいだ
いや
それ
本音ですか
本当に そう思っているのですか
違うんじゃないですか
自問自答する声

そう
だから 詩なぞを 書いている
こうして

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