■4月1日の秀逸な記事
マスコミってナニ?(46)
ニュースの存在を考える 「マスコミへの道」改
◇東京新聞はやはり愛すべき新聞
「真実」「公正」「進歩的」――を掲げ、時に朝日、毎日を上回る左バネをきかせる東京新聞(中日新聞社発行)。
知らない人は知らない話だが、この新聞は毎年4月1日発行の紙面でエープリルフールの記事を「こちら特報部」面に見開きで展開する。
今年は、マイナンバーカードをおちょくり、架空の町・南場町にある「ワイナンバ」なるものについて書いていた。あまり面白くなかった。
一方、その右のスペースに載っていたのは、写真にあるとおり、きしめんが成る「きしめんの木」という話題。こちらのほうがずっと面白かったが、もともとは英BBCが作った「スパゲティの木」が元ネタで、何十年も前の焼き直しである。
欄外には「記事・コラムはフィクションです」との断り書きもあり、記事を真に受けられないように注意している…。
ネット上にもこの記事は載せていない。
無用の混乱は招きたくない、というお行儀のよさは、さすが堅実な愛知県民気質というべきか。せっかく笑いを取り、話題作りができる場を持っているのにもったいなくないか。
東京新聞よ、もっとキレのいいパロディーネタで世間を震撼とさせてくれ。
それこそが、進歩的な新聞、メディアというものだろう。
ただ、性懲りもなく、これを何年も続けているのはある意味で立派だ。その点は愛すべき新聞だと思う。
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