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伝説のお菓子屋さん 3
それは激動の時代の中で生まれた。
2020年5月
世の中は100年に一度の緊急事態。
それでもやらなければならない程の状況だった。
全てが向かい風のようで、立っているのがやっとという中での開店。
もちろん店内もまだ未完成で、営業許可をうける最低限の設備があるだけ。
それでも心は晴れていたような気持ちだった、と記憶している。
「やっとスタートできるんだ」
そんな心境だったに違いない。
全ては、
生きるため
かぞくのため
私はコーヒーを提供する新しい飲食店を開業して、
私の妻はお菓子屋さんなってくれた。
伝説のお菓子屋さんは未経験でスタートした。
そしてこの頃、常々私に教えてくれた言葉がある。
「センスは時代を先駆ける。技術は後からついてくるものだ」と。
不安もたくさんあっただろう。
個人事業主との結婚はしんどいでしょう?
休みないでしょう?
好きなことやれてて羨ましいわ、
たくさんの言葉が、お菓子屋さんにふりかかったことでしょう。
しかし私は思うのです。
大好きな人と一緒に人生を過ごせるだけで、
それ以上の幸せなんてあるものか?
みんなにもわけてあげたいくらいだよ
共に人生を過ごしてくれていることが、
私にとってはとてつもなく幸せでいつも嬉しく思っています。
サハラ砂漠からの熱風はまだ届いているし、
いまだに辛いと感じることも訪れる。
人生はそのひとつひとつを楽しむことなんだな、とそれだけを思い、健康に体が動く日々が少しでも多く続くことを願ってます。
伝説のお菓子屋さんは、まだまだこれからも続く。