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ごはん映画

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映画に出てくる食べ物が大好きです。そんな「ごはん映画」について書いた記事をまとめています。
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2021年9月の記事一覧

多国籍なお菓子がたのしくて可愛い映画|『ノッティングヒルの洋菓子店』

U-NEXTでマイリストに入れていた作品を先日、鑑賞しました。タイトルからわたし好みの作品だろうなぁ〜とわくわくしていたのですが、とても楽しく鑑賞しました。 監督は本作が初長編デビューとなるエリザ・シュレーダー。2020年12月に劇場公開された作品でした(完全に見逃していた!) カラフルでキュートなスイーツがたくさん出てきて、ひたすらに眼福! でもスイーツが出てくるだけの作品ではなくて、大切な人を亡くした者たちが、その人の想いを引き継いで夢を叶えていく、立ち上がる姿も描か

喪失と再生の中で食べること|『ムーンライト・シャドウ』のごはん

吉本ばななさん『キッチン』に収録されている短編小説の映画化、『ムーンライト・シャドウ』に食事シーンが多く描かれていたのでメモします。 『ムーンライト・シャドウ』ストーリーは、 さつきと等は導かれるように出会い、恋に落ちる。等の3歳年下の柊と、柊の恋人ゆみこをあわせた4人は意気投合し、多くの時間を共に過ごす。時には、ゆみこが気になっているという「満月の夜の終わりに死者ともう一度会えるかもしれない」という不思議な現象「月影現象」についても語り合うなど、4人は穏やかで幸せな日々を

緊張がほぐれる温かいごはん|『ドライブ・マイ・カー』

『ドライブ・マイ・カー』素晴らしい作品でした。3時間の長尺ですが、まったく長さを感じさせない、俳優さんたちの演技もさることながら、やはり脚本のうまさを実感した名作でした。 第74回カンヌ国際映画祭で日本映画としては初となる脚本賞を受賞。国際映画批評家連盟賞、AFCAE賞、エキュメニカル審査員賞の独立賞も受賞し、4冠獲得の偉業を成し遂げた作品。 濱口竜介監督作品は『寝ても覚めても』を劇場で観ていました。上映時間が5時間 17分で話題となった『ハッピーアワー』はまだ未見なので

優しい嘘から始まる映画の食卓|『フェアウェル』

現在公開中の『シャン・チー/テン・リングスの伝説』がとてもとても面白くて、出演しているオークワフィナ主演作品『フェアウェル』について書きたくなりました。 『フェアウェル』は、祖国を離れて海外で暮らしていた親戚一同が、余命わずかな祖母のために帰郷し、それぞれが祖母のためを思い、時にぶつかり、励まし合うながら過ごす日々を描いたハートウォーミングドラマ。 全米わずか4館で公開されると驚異的な大ヒットを記録し、館数が桁違いの大作群の中で全米10位にランクイン。第77回ゴールデング

ルーツを大切にする多国籍なごはん|『イン・ザ・ハイツ』

8月の頭に鑑賞したミュージカル映画『イン・ザ・ハイツ』 ラップとラテンミュージックのミュージカルは、ノリと勢いでどんどん進んでハッピー満載!とても楽しい映画でした! ごはん映画ではないのですが、多国籍のルーツを持つ人物たちの、賑やかな生活におじゃまするような映画なので、個人的には食事シーンもとても楽しく鑑賞しました。 トニー賞4冠とグラミー賞最優秀ミュージカルアルバム賞を受賞したブロードウェイミュージカル「イン・ザ・ハイツ」を映画化。 NYの片隅に取り残された街、ワシント