合意形成って・・・永井陽右著「共感という病」対談内田樹から


ソマリアで紛争解決のために、テロ組織から離脱をしてきた人を社会で受け入れるなど現地で活動をしている永井陽右さんの本「共感という病」をオーディブルで聞いた。
巻末には、内田樹さんとの対談があり、共感、合意形成などについて改めて確認ができて心強く感じた。
永井さんが悩んでいることについて内田さんの言葉から新たな気づきを受けている様子が伝わってきた。
内田さんのコメントを抜き出してみる。

・惻隠の情で良い。
弱者にむけてつい手を差し伸べる想い。

・問題だと思うのは、
その解法がまだわからないのだけど、これから時間をかけていくと解法がわかりそうな気がするから。解法がわかっていれば問題じゃないし、解法がまったく思いつかないものも問題として意識されない。力が足りないと感じるのは、多少は力があるから。

・原理主義的、高圧的な人権活動は、その人権活動を妨害している。
少しでも何かやりたいという人に厳しくする→その人が離れていく→結果的に人権について活動したり配慮していく人が減っていく=人権活動を妨害している。

・今の日本は共感過剰社会。
共感できる人でかたまって、小さな集団の中で演技的な共感を強制されている。

・合意形成って、誰かが正しい意見を言って、それで他の人を説得したり多数決で従わせるものではない。
全員の意見が一致することだと思っている人が多いが、とりあえずみんなの不満の度合いを揃えること。
全員が同程度に不満というのが落としどころ。誰かが際立って損をすることがないような解を探り当てる。
全員がおれの言っていることも変だけど、みんなも変だ。
社会全体でパワーアップできれば良い。
人の意見は全員が違って当たり前。正否を言い合っても対立するしかない。



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