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【学生インターンレポ】子どもをひとりの人間として尊重すること
こんにちは!学生インターンのまっつんです。
最近暑くなってきましたが、いかがお過ごしですか?しっかりと暑さ対策をして、熱中症にならないように気をつけましょう!
さて、今回は
2024年5月4日(土・祝) 「水戸赤塚住宅公園」で移動式あそび場
の様子についてお伝えしていきます!
「水戸赤塚住宅公園」で移動式あそび場!
赤塚駅から徒歩3分、水戸市・ヨークタウン向かいにある8区画の総合住宅展示場のことで、多彩なモデルハウスが展示されています。当日は第2区画であそび場を展開しました。
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この日はとても暑く、日差しもぎらぎらと照りつけていました。人工芝は天然芝や土よりも熱くなりやすいことをご存知でしょうか?これは人工芝が合成樹皮でできているため、天然芝や土のように表面から水分を蒸発させないことが主な理由なのだそうです。
あそび場には、住宅展示場に来た家族連れの方や、たまたま近くをサイクリングで通りかかった親子がやってきました!
日差しが強かったので、パラソル、テントはマスト。基本的に日光の下に長くいないように気をつける必要がありました。
今回は、写真のように、人がいる時間が多くなりそうなところ、例えばいろんなあそび場で人気のビーコロの近くや、ハンモックの近くなどにパラソルをたててみました。
日なたに設置したコマやけん玉などの昔遊びコーナーも人気でしたが、このような日差しが照りつける場所で遊ぶときは、子どもたちにテントの下やパラソルの下で休憩や水分補給をするよう促すことを心がけました。
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今回の移動式あそび場は、防災ワークショップを同時開催しました。牛乳パックのお皿作りや、布だけでできる担架の作り方など、みんなで一緒に受講しました。特に担架の作り方は、これからの時期、体調不良で倒れてしまう人が増えると予想されます。とてもためになるワークショップでした。
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夏の日差しが照りつけるあそび場
当日は梅雨をすっ飛ばして夏が来ちゃったのかな?と錯覚するほどの強い日差しがじりじりと照りつけており、日焼け止めや帽子を忘れるという致命的なミスをしてしまったわたしにとっては厳しい1日となりました。
冒頭での「暑さ対策」はここにつながってくるわけですが、しっかりと水分補給をしても、日差しへの対策が不十分だとやはり不調につながってしまいます。実際、日に当たりすぎて疲れやすくなる、真っ赤に日焼けをしてしまうなど、活動に支障をきたすこともありました。
日焼けしても黒くなるだけ、と思っている人はいるかもしれませんが、日焼けはれっきとした火傷です。怪我をしないためにも、外での活動の際はしっかりと日焼け対策をしましょう。そして日焼けをしてしまったら患部をしっかり冷やして火照りを抑え、保湿をして悪化を防ぎましょう。
どんどん暑くなり、日差しも強くなっていくにつれ、外遊びの危険度はどうしても上がってしまいます。まちのこ団の提供するあそび場は「自分の責任で自由にあそぶ場」ではありますが、子どもの自己責任に任せきりになるのではなく、周囲の人々がしっかり目を向け、熱中症や熱射病などの命の危険にさらされないように、サポートしてあげる必要があります。
そのため、まちのこ団ではメンバーそれぞれが連携し、子どもたちが安全に遊べるように周囲に目を向けることを心がけています。例えば、団員が一か所に集まり、見守る範囲が偏らないようにすることや、その場を抜けるときには他の団員に声をかけることを徹底して行うようにしています。
子どもが危なくないように見守ることは、あそび場にいる「大人」の仕事であり、あそび場を運営する者として、責任が伴うものでもあります。
ただ、今回の活動ではあそび場の「大人」として不十分だったことは否めません。むしろ子どもたちのほうが、帽子を被っていたり、あそびを中断して水分補給を行ったりなどと、しっかりと暑さ対策をしていました。
つまりあそび場では、「子どもたちを絶対にサポートしなくては」と考えるのではなく、「自分を含めたすべての人が危険のないようにするにはどうしたらよいか」と考えることが大切なのかもしれないと思いました。
サポートってなんだろう ~「まっつんの子どもとの向き合い方」~
この活動では、あそび場での子どもとの向き合い方について、深く考えさせられることになりました。
今回の出動において、少しもやっとしたことがありました。それは、大人の子どもとの向き合い方についてです。
子どもが何か行動を起こすとき、先んじて結果を言ってしまうことはありませんか?
例えば、「ダルマ落としは難しいからできない」とか「子どもの投げる力では、ボールは絶対にゴールに届かない」とか「君の年じゃこれは難しすぎる」とか。
今回の活動ではこのような否定的な言葉を子どもに投げかける大人がいました。その言葉に対し、「それを聞いた子どもがどんな気持ちになるか」「それをわたしが言われたら」と考えるにつれ、心がもやもやしたような、不快な気持ちになったことを今でも鮮明に覚えています。
大人のほうが子どもよりも長く生きていますし、いろいろな経験をして、多くのことを学んでいますから、子どもよりも大人のほうが優れていると考える人は多くいます。子どもの行動の結果を予測することも簡単だと考える人もいるでしょう。
本当にそうでしょうか。
大人のこれまでの長い経験からできない、と判断することは簡単です。ですが、子どもにとってはそうではないのです。大人が「できない」と判断するのは、そのような判断に至るための経験をすでにしているからですが、子どもはまだ経験すらしていないのです。
わたしは、子どもに「やってみよう」「やってみたい」「次はできるかもしれない」と思ってもらい、各自の自信ややる気、成長につなげることこそ、あそび場が存在する意義だと思っています。子どもの成長の兆しを否定せず、「次のステップ」に繋げられるようサポートするのが、あそび場にいる大人の役目でもあると思っています。
それを大人が無責任に「できない」「やめたほうがいい」と指摘するのは(たとえ本当にできないように思えても)、可能性の芽を潰す行為にほかなりません。自分より大きく、強い大人の言葉を信じて「自分はできないんだ」と鵜呑みにしてしまえば、「できると思うことしかやらない」「自分にできるわけない」というように、自己否定や、チャレンジする心を自ら潰すことにつながります。
わたしはそんなことを子どもたちに教えるためにあそび場にいるわけではありません。
子どもたちにとってあそび場は、楽しくて、前向きになれて、「また来たい」と思えてもらえるような、そんな場であってほしいと思っています。
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ここまで、成長の兆しや可能性といった、子どもにとってプラスとなる活動にしたいという話をしてきましたが、実際、あそび場でプラスのことばかり得てもらうのは難しいです。なぜなら、あそび場でプラスの経験を得るためには、体調や天気など、あそび場にいる人ではどうしようもない要素があるからです。
例えば、その日の体調によっては、すべてのことに苛立ち「今日のあそび場は楽しくなかった!」と思う子どももいるかもしれませんが、それはわたしたちではどうしようもありません。その子の体調を含め、あそび場に来るまでのことのほとんどに、わたしたちあそび場にいる大人「まちのこ団」は関与できないのですから。
だからこそ、あくまであそび場で関与できることには、なるべく子どものプラスの経験に結びつけるようなサポートをしていきたいと、わたしは思っています。
活動をふりかえって
「まっつんの子どもとの向き合い方」について、これまでぼんやりと考えていたことが、今回の活動ではっきりとしました。
去年8月からまちのこ団と活動をはじめましたので、もうすぐ1年になりますが、子どもとの向き合い方についてここまで強く意識することはありませんでした。
わたしが、「まっつんの子どもの向き合い方」という考えに至るまで、辛く感じることも多くありましたが、最終的にまちのこ団として成長できたのではないかなと感じました。また、 子どもたちや、あそび場とより真剣に向き合えるようになったからこそ、このように考えられるようになったのだと思います。
楽しいことばかりではない。けれど楽しい。
そう思える活動でした。
まちのこ団で活動する中で「子どもと接することが好き」「まちのこ団の理念に共感した!」という大人と接する機会がとても多くなります。しかし、移動式あそび場として、別の場所に出動することで、必ずしもそうではない人と活動することもあるのだと、今回身にしみて実感しました。
子どもとの向き合い方に限らず、人との接し方については十人十色だと思います。否定的な言葉ばかりかける人も中にはいますが、今後、あそび場でどのように対応していくかというのが、今後のわたしの課題として挙げられるかなと思います。
次回は第2回まちのこフリマの様子についてお伝えします。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました!
(文・写真=まちのこ団)