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働き方を変えたいと最初に意識したのは3・11の時。

 いま現在、私が街の中で好きなところは、「まちなかbizあおば」。
 起業支援センターとして、バーチャルオフィスのサービスをしているところなんです。私は在宅でウェブ関係の仕事をしている個人事業主なので、そこに住所を貸してもらっているんです。2年ぐらい前からかな、そこの会員になって。きっかけは、会社を辞めて個人事業主として仕事をすることになって、何か一緒にできる人や場所を探していたら、うちのすぐ近所にそこを見つけた。ちょっとお世話になってみようかな〜と思って行ってみたらすごく良かった。雰囲気のいいところで、個人で仕事をしてる人がたくさんいるっていうのを、そこに行って知って、すごく心強かったんですよね。今、会員さんは350社って言っていたかな、個人の方と中小企業の方含めて。
 私、その前は会社員やってたんですけど、ずっと、赤坂まで会社に行ってたんですよ。子どもを保育園に入れて。保育園の友達はみんな都内に働きに出てて、私の赤坂はまだ近い方で、半蔵門の方とか、九段下の方とかまで行ってたりして。横浜の方でも関内あたりまで行けばけっこう遠いし。でも、なんかこの状況、ちょっとおかしいなって思ってて…。地元で働けてる人たち、すごくいっぱいいるのに、なんでお母さんたちは子どもを長時間預けて遠いところまで行って、へっとへとになって帰ってきて…。で、やっぱりストレスも溜まるから、家に帰って子どもに、早くして~! とか怒鳴り散らしたりして。やっぱりこの状況良くないなーと思ってました。

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 働き方を変えたいと最初に意識したのは3・11の時。私、一番下の子がお腹にいて臨月前だったんですよ。来週から産休です、っていう日に地震が起きたんです。で、帰れなくて、その大きなお腹を抱えて会社でずっと一晩過ごしたんです。上ふたりの子どもは保育園に行ってたんですけど、子どもたちがどうなったか、連絡もとれない状況になって。そう、それでちょっとショックを受けて、なんか、働きに出てるって、こういうすごいリスクを背負ってるってことなんだな、と思って。それをきっかけに働き方を変えたいなって考え出したんですよね。でも、何かをひとりでやるとか、最初全然考えていなくて、とりあえず近い職場を探そうって思ったんですけど、私のウェブ関係の会社って本当に都内が多くって、近くに全然なかったんです。それから三軒茶屋に1社見つけて、そこに転職したんです。2年ぐらい三茶に通ってたんですけど、その会社が引っ越すことになって、え〜私、三茶だからここにしたのにオフィス引っ越すなんて嫌だわ、って言ったら、じゃあ在宅にしてみようかっていう話になって。で、在宅勤務で週1回新しいオフィスに通う形にしてもらったんです。でも週1回行っても、実はメールとかでけっこうやりとりが済んじゃうから、週1回も行かなくてもいいんじゃない、みたいになって、それが2週間に1回になり、1カ月に1回になり、めったに行かなくなって。そのうちに、会社の事業変更があって、家で仕事するのにもずいぶん慣れたから、じゃあフリーでやってみようかな、っていう感じで独立したのが2年ぐらい前でした。
 「まちbiz」に入って、どうして独立したの?という話になると、やっぱり3・11の影響を受けて、って話す方、けっこういるんですよね。かなりの方にとって、仕事に対する価値感というか、働くことを考え直すきっかけになったんじゃないかなと思います。思い出すと大変な出来事だったけど、でも私にとってはあれがなければ、もしかしたら、辛いけど通勤電車に乗るのが普通だと、ずーっと思ってたかもしれない。
 地元で仕事をするようになって、PTAの仕事を通して学校との関わりも増えてきました。そういうこともできるようになったんですよね、在宅で仕事をするようになってから。やっぱり時間が自由になったんで。それで地元での人脈も広がってきたというか。
 「まちなかbizあおば」は、なんか私にとって、ホームな感じ。集まって来ている人たちは本当にいろんな背景を持ってて、いろんな経緯でここに、たまプラに住んでいて、ここで仕事をしようっていう人が、本当にたくさんいる。そこにいる人たちの話を聞いてるとすごく面白いんですよね。時代は、ZOOMで会議とかテレワークとか、そっちの方向の流れにどんどんなってる。それを後押しするような形で、私も仕事をもっと発展させていけたらいいなと思ってます。

洞澤葉子 2

インタビュー:2019年 夏

このおはなしは2019年No.006号に収録されています。冊子をご希望のかたはご連絡ください。冊子は無料、送料180円でお送りします(5冊まで送料は同じ)。「街のはなし」プロジェクトを、スキやサポート,snsのフォローなどで応援していただけましたら大変励みになります!どうぞよろしくお願いします。

企画・文: 谷山恭子
写真:藤井本子

編集・校正: 谷山恭子・藤井本子・伏見学・街のはなし実行委員会

発刊:街のはなし実行委員会

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