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Talker#9 | 田島友里子(さいたまOrganic City Fes.)

「こばと農園」園主であり、地元自然栽培農家たちによるマルシェを開催する「さいたま有機都市計画」代表でもある田島さん。北海道で農業に携わり、結婚を機に夫の地元であるさいたま市見沼で2017年「こばと農園」を設立しました。夫は勤め人で現在単身赴任中なので、9才と5才お二人のお子さんをワンオペで育てながら自然栽培農家として多方面で活躍しています。


大宮駅をバックにお話いただきました
真剣に聞く参加者

自分の人生をつかう仕事として

田島さん:大学と大学院では美術を学んでいて、絵を描いて生きていきたいと思っていました。でもお金を稼がないと生きていけない。自分が就職して企業の歯車になるということにピンとこなくて。働くことは自分の人生を使うこと。一番シンプルな働くというかたちが「食べ物」を作る仕事だと思って卒業後に北海道へ単身で行きました。最初に30歳になったら農家として独立しようと決め、色々な農家さんの元で農業研修を受け、牧場や大きなじゃがいも工場などでも経験を積みました。1日8〜10時間ほど畑で働きます。そしてご飯を食べてお風呂に入って寝る。その生活を3年くらい過ごしてとても心地よかったんです。これで生きていけるなら最高だなって。そんな北海道時代に今の夫と出会い、結婚、出産したところで夫の転勤が決まり、夫が転勤の多い仕事だったのでそれを期に夫の地元であるさいたま市へ移住し「こばと農園」を立ち上げることにしました。今12年目ですが、変わらず天職だと思ってやっています。

こばと農園での風景
田島さんが育てる野菜

「さいたま市最強」と伝えたい

田島さん:私は三重県出身で、これまでに住んだことあるのは愛知県と北海道と東京のはずれ。その中でさいたま市が一番住みやすい。そして、農家からの目線で「さいたま市最強」だと感じてます。
日本の農業は、地方都市で作って市場に流して大都市に持ってくるというスタイルです。さいたま市の場合は、作ってくれる人と食べる人が同じさいたま市内に住んでいて、流通に乗せずに地産地消ができるんです。それはつまり、農家にとっては中間マージンを取られない。食べる人は、土地のものを朝採れ野菜だって食べられる。これってめっちゃ幸せじゃないですか?
全国的に農業は高齢化が進んでいるけど、さいたま市は新規就農者が増えています。そして130万人の市民がいて、有機野菜(農薬や化学肥料を使用しない自然栽培で生産された農作物)を食べたいと言ってくれる人がいるからやっていけるんです。

始まりは新規就農の仲間づくり

田島さん:農家の多くは地域の関係性を含めて親から受け継いで就農します。私みたいに地域に繋がりがない状況で、かつ少数派の農薬や肥料を使わない有機農家として新規就農すると孤独です。もっと気軽に話せる仲間が欲しいと思っていた時に、有機農業を使って楽しいことをやらないかと声がかかり、2020年「さいたま有機都市計画」というグループを5軒の地元農家で結成し代表になりました。新規就農かつ有機農業者のメンバーですが、農業者と消費者と分けず、地域の人たちみんなでやるということを大切にしています。今3年経って、農家メンバーは21名に増え、サポートメンバーは約80名、計100人の規模まで大きくなっています。

「さいたま有機都市計画」メンバーや仲間たち
「さいたま有機都市計画」のロゴ

「さいたまOrganic City Fes.」に込めた想い

田島さん:「さいたまOrganic City Fes.」はそんな「さいたま有機都市計画」が主催する大規模なマルシェです。有機農家だけのマルシェは全国的にも珍しく、2022年から始めて、すごく好評をいただいています。売上も良いので、まちの人の需要に合っているなと実感しています。
このマルシェでは、来場者に自分の住むまちで取れる野菜があること、近くに有機農家がいることを知って、繋がって欲しいという気持ちが一番大きいんです。さいたま市は人が豊かなことが何よりの財産で、これからの可能性だと思います。私は野菜を通して地域と繫がることで、人生が豊かになっているなと感じながら、「さいたま有機都市計画」の活動を行っています。

さいたまOrganic City Fes.の様子
こばと農園のブース

「さいたま有機都市計画」の最新情報はインスタグラムでご確認下さい!


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