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Talker#05 | 草薙仁(nagi;Greenworks)
住宅街にひっそりと佇み、覗き込みたくなる花屋「nagi;Greenworks」を不定期でOPENしている草薙仁さん。人が人をつないでいく形で、様々な活動も展開されています。
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「ナイナイではなくあるものから」に込めた想い
草薙:自然が近くに無いと言う人が多いけど、落ち葉は公園に行けばある。枝もある。逆に、田舎の人が「ここには 何もないんだよ」って言ってるとしたら 、いやいや 自然があるでしょって。「あるもの」っていう物差しが、都会にあるものって分類されるだけで、いやいや、全然ありますよって思っています。さいたま市にも見沼の田んぼがありますよね。朝は朝露が降りて鳥がさえずっている。夕日もきれい。夜も静寂。あるんですよね。
そう語る草薙さんから参加者に手渡されたのは、剪定したばかりのユーカリの葉と針金でした。袋を開くと、ふわっとひろがる緑の香りにみなさんの感覚が同時に開く瞬間が有りました。
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草薙:これは、先日剪定したユーカリの樹から持ってきた葉っぱです。まだ柔らかいので、半分に折って針金に指していくだけでリースが出来あがります。僕は、極端ですけど植物を愛でるためには、野山があれば花屋が無くても良いのではないかと思うんです。 植物はもっと身近であるべきと思っていて。「きれいだな」っていう思う感情を大切に出来ればいいなと。氷川参道を歩くときにも葉っぱを拾ったりできますよね。
「花で歓喜を」をテーマにおいて
お父さんが花屋で働いていたのですが、子どもの頃は全く花に興味を持てず、10代はプロサッカー選手を真剣に目指していました。その夢の区切りとして20歳の頃にワーキングホリデーで行ったオーストラリア。大自然の中に身を置き、その雄大さに色々な思いが湧き出る中で、花っていいなという気持ちが自然と芽生え、帰国後にサッカーコーチもしながら花屋の世界に少しずつ入っていったそうです。
花とサッカーは全然つながっていないようでありながら、人に歓喜を与える瞬間がどちらにもある。作った花を渡して喜んでもらうことは自分も嬉しく、サッカーで点を取った歓喜に近いものがあり、ここ数年「花で歓喜を」というテーマを置くようになったそうです。さらに、サッカーが縁をつないで注文してくれる人も多く、点と点がつながっている感覚があり、継続することの大切さを感じているとのことでした。
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「花」によって地域が集うこと
花を販売するだけにとどまらず、店舗の装花や出張ワークショップ、お庭づくりなど、店外での活動も多い草薙さん。さらに、近隣の小学校で植物を育てる授業をしたり、地元のお祭でフォトブースを製作したりと、花によって人々が集うシーンに喜びを感じ、地域活動へも「ナイナイではなくあるものから」という思いを胸に積極的に関わられています。
特に、小学校に関わっていることは草薙さんの中で大きいのだそう。
草薙:小学校周辺には空地がなくて。子どもたちは植物と距離がある。でも、学校でできるんじゃないのって学校と話をして。リースなど素材に使えるものを学校に植えて、それを使って作品を作ろうとなったんです。100%学校に有るものを剪定して、リースを作ったり、花びらを使った貼り絵をしたり。今年はまた違ったものを作るんです 。大げさかもしれませんが、花によって地域が集う素敵な感じがあります。これが他へと広がっていくと面白いなと思っています。
最近は、他分野とコラボすることにも面白みを感じていて、カフェ、洋服屋、大工工房、自動車工場などと組んでワークショップを開催しているそうです。お客さんがつなげてくれたり、サッカーでつながったり、人が人をつないでいく形で、様々な活動も展開されています。今後も要チェックです。
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Instagram @nagigreenworks
※この記事は、当日のTalk以外に事前取材の内容も合わせて記載しています。