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第1章 これからのまちづくりの捉え方

 社会が大きくかつ急速に変化していることは多くの方が実感していることでしょう。まちづくりを進めるうえでも、これまでの考え方ややり方からの転換が必要になっています。
 先行きへの不安や変化に対する恐れを感じがちですが、まちづくりは私たち一人一人が幸せに生きていくために行うものであり、力を合わせて行動することで明るい未来を創り出していけるはずです。また、世の中が変わろうとも受け継ぐべき大切なこともあります。新たな取り組みや技術も生まれてきています。
 変化の中でこれからのまちづくりをどのように考えていくか。第1章では、これからのまちづくりにとって大切なポイントや考え方をお伝えします。

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1. 「持続可能」とはどういう状態?

 「持続可能な社会」「持続可能な地域づくり」・・・よく耳にする「持続可能」という言葉ですが、一体どんな意味があるのでしょう?

 一般的には、人間の活動が将来に向かって続いていける様を指しており、そのために必要な生産サイクル、自然環境との調和、平和な社会、富の配分などのバランスが良好に保たれている状態を言います。

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 国連が2030年までに達成すべき17の目標を定めた「持続可能な開発目標(SDGs)」はとても有名で、あらゆる人間活動の望ましい方向性を示した共通の指針として世界中で用いられています。

 まちづくりにおいては、地方の過疎高齢問題と共に用いられることが多い言葉です。生産活動の担い手が減り、福祉の需要が高まることで若い世代への負荷が増え、その結果さらに都市部への流出が加速するという悪循環が生まれています。

 しかし、人口に対して人の暮らしを支える資源の量からすれば、圧倒的に地方の方が豊かであり、むしろ、一極集中の受け皿となっている東京では過密化によるストレスや災害が起きた際のリスクが大きな問題となっています。
 その意味で、持続可能性が問題になるのは、地方ではなくむしろ東京などの大都市の方であるとも言えます。これは、私たちが社会の発展において持続可能性ではなく効率性や経済成長を優先してきたことの結果です。

 持続可能な状態を保つには、人のくらしを続けていくための様々なつながりを意識する必要があります。そのためには、大きな仕組みの中で流されるのではなく、つながりが見えやすい範囲(ヒューマンスケール)でまちづくりを考えることがとても大切です。

 持続可能な社会をつくることは自分自身の問題であること、さらには家族・親戚・友人・ご近所と共有すべき問題であること、そしてそれは、自分の日常的な行動から変わっていくこと、そんな価値観を横につないで社会全体を捉えることができれば、きっとこの日本や世界を「持続可能」にできることでしょう。


2. 「限界」の先にあるもの

 「限界集落」とは、人口の50%以上が65歳以上の高齢者になり、冠婚葬祭などの行事や経済活動を通した共同生活の維持が困難になりつつある集落を指します。
 「限界」という言葉の強い響きから、やがて消滅していくような感覚に陥りがちですが、実際には本当に消えていく集落もあれば、そこから活力を取り戻して存続の道を歩んでいる集落もあります。そうです。しっかりと軌道修正を図ることができれば、「限界」の先にも道はあるのです。

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