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アメリカの超特大フリーマーケットに行ってみた!



北カリフォルニア最大のフリーマーケット「Denio's Market」

サクラメントエリアのRosevilleでは、毎週末「Denio's Market」というフリーマーケット&ファーマーズマーケットが開催されています。何でも北カリフォルニアで最大(級?)らしい。私たちが暮らすアパートから車で20分ほどということもあり、一度は行ってみたいと思っていたのですが、今まで実現しなかった理由は、ひとえにうちの旦那さん。食料品の買物は極力パスしたいタイプである上、基本的にフリーマーケットなどの、いわゆる中古品が好きではないのです。四人兄弟の一番上で、お下がりの服の経験がないからなのでしょうかねぇ?子供の頃は、4人の従妹のお姉さんたちからもらう洋服が大好きで、アメリカへ移住してからも、彼の叔母やお母さんからいただく洋服を喜んで着ている私は、彼には不思議な生き物に見えるようです。そんな感じですから、フリーマーケットは彼には「Lots of junk (ガラクタの山)」に思えるそうな。なんて書くと、エラソーに聞こえますがそんなことはなく、むしろ着るものには頓着なく、ジーンズ、スウェットパンツ、Tシャツ、プルオーバー、野球帽の着回しが彼のユニフォーム。
とにかく、フリーマーケット嫌いの人にフリーマーケットに連れて行ってもらう訳にもいかず、行きそびれていたDenio's ですが、この度、ほぼ毎週末Denio's へ足を運んでいる仕事仲間のJackとその彼女のTrishaにお願いして、一緒に連れて行ってもらうことになりました。

Denio's は、なんじゃこれ?の広さだった!

予備知識としてかなり広いということは知っていましたが、駐車場に着いた時点からびっくりでしたね。ここはディズニーランドか?って感じ。

だだっ広い駐車場からマーケットエリアへ。先が見えない!


帰ってきてから調べてみたところ、敷地面積は70エーカーで、なんと東京ドーム6個分となるよう。日本にいたころ、一度だけ西武ドームで開催されるフリーマーケットに出店側で参加したことがありましたが、それと比べると雰囲気は全く別物。敷物に商品を並べ、平面で並んでいるのが日本なら、ブースが立ち並んで、フリーマーケットというよりもフェア(アメリカのお祭り)のイメージに近いのがアメリカ。食べ物や飲み物のブースもあるし、時期によってはそれこそフェアのようにゲームブースも出没するのだとか。そんな中にいると「私はどこにいるんだっけ?」「何しに来たんだっけ?」と訳わからなくなりそうでした。

全ブースを見て回るのはあまりにも大変なので、彼らのいつものコースに私がくっついていくプラン。最初に立ち寄ったのは、典型的な何でもあるブースでした。Jackに「What do you think?(どう思う?)」と聞かれて出てきた言葉は「Sugoi…」の一言。とにかく始まりから終わりまで、何度この「すごいな…」という言葉を口にしたことでしょう。とにかく、モノが多くて、何でもある。そして「何で?」というものもいっぱい。
いくつか写真で紹介しますね。

未開封の古いコカ・コーラ。
これを集めている人がいるのだとか?
分からん…


なぜか日本のスロットマシーン。
どこから来て、どこへ行くのか?


まさかの使い捨てカメラ。もちろん使用済み。
Trishaに「何で?」と聞くと、笑って肩をすくめ「何でもあるのよ」と。


すごい…
どこまでが売り物?って感じだけど、全部売り物なんだって!


これこそ「〇〇の山」か「宝の山」か…


いったい誰が買うんだ~?!


典型的な「なんでも屋」
掘り出し物に出会えそうと言えば出会えそう…


続いて、立ち寄ったのはDVDやCDのブース。CDでさえ「今時CDか…」と思いますが、なんと懐かしのカセットテープもあるし、更にはエイトトラックというカセットテープの前のもの(?)まであるのだから、これまたすごい。そして、当然のことながら凄まじい量。たとえ「〇〇のCDが欲しい」と思っていたとしても、この中から探すなんてことは可能なのでしょうか?
JackとTrishaは「〇〇があったよ?」「これ家にあったっけ?」なんていう会話を交わしながら慣れた様子で物色。
そんな二人の日常の様子を微笑ましく眺めながら私が感心したのは、この凄まじい量の中から、ふたりがお目当てモノを見つけていることでした。JackはDVDの3枚セットを掘り出し購入していたし、Trishaは大好きなマンガ本を掘り出し購入。掘り出しとはいっても、まるで吸い寄せられるかのように見つけるのですよ。初心者の私には謎の能力。

レコードを目にしたのは、一体いつぶりのことだろう?
これは、ほんの一角…


メキシカンストリートスナック体験

Denio's 内は、全体的にメキシカン色が濃厚。ブースの出店者もラティーノが多いし、食べ物や飲み物にしても、そのほとんどはメキシカン。そんな中、Trishaが私のために「Duros」というメキシコの超定番ストリートスナックを買ってくれました。Denio's 内のあちらこちらに山積みで売られているほどの人気の一品。調味料が並んだセルフカウンターが横にあるので、好きな調味料にディップして食べるのかと思いきや、実際はもっと大胆でした。ビニール袋の中に好みのホットソースとかライムジュースとかをぶちこんで、口を掴んでブンブン振る、いわゆるシャカシャカチキン方式。ブンブン後はスナックのサクサク感とシミシミ感が程よく、これが人気の秘密とお見受けしましたね。手がベタベタにはなりますが、ひとつの袋にみんなで手をつっこんで食べるのも、不思議な仲間感があって、なんともハッピーなおやつでした。

このWheel(車輪)型が特徴らしい。
結構ドボドボ入れていてびっくり(笑)
でも、それがおいしさのヒケツらしい


お目当てのファーマーズマーケットエリアへ

会場に足を踏み入れた時から、遠~くに見える建物を指さして「あそこが最後のファーマーズマーケットだからね」と言われていましたが、それこそが私の最大のお目当て。Jackからファーマーズマーケットの話はよく聞いていたし、彼らが大量に買ったいちごで作ったイチゴジャムをお裾分けしてもらったこともあったので、野菜や果物をたんまり買って帰るつもりでいたのです。かなりの距離を歩き、かなりの数の「すごいな…」をつぶやき、やっとファーマーズマーケットに辿り着きました。当然のように広いし安いし、見たこともない野菜(果物?)の姿もあって、ただただワクワク。

これが全てではなく、この先で折れ曲がって、さらにず~っと続いているのだから「すごい…」


とりあえず何があるのかを見定めてから買いたいので、まずは一通り物色することに。試食もたくさんできるので、試食好きの私にはたまりませんでしたね。そんな中で見つけた「これは何?」のものをいくつか紹介しましょう。

jicama(ヒカマ)というメキシコ原産の芋(?)の一種。
料理番組ではよく出てくるけど、チリパウダーがかかった生の「jicama」を初めて試食。
何かに似てると思ったら、多分長芋マイナスネバネバ感だな


注目は左のふたつ。「Prckly pear (プリックリーペア)」。
その正体は、なんとサボテンの実。
種がい~っぱいらいしいけど、梨の味わいなのだとか?

写真は撮り忘れてしまいましたが、見た目に丸太の薄切りのようなものが売られていて、それにかぶりついているパパさんが気になって仕方なかった私。そんな私の様子に気づいたお店のお兄さんが声をかけてくれたので、あれは何かと尋ねると「Sugar cane (サトウキビ)みたいなものだ」とのこと。確かに言われてみればそんな感じもするけど随分太いなぁ。直径15㎝はありそう。すると、おいしそうにかぶりついているパパさんが近づいてきたので、「それ、おいしい?」と聞いてみると、あたりまえのことながら「おいしい、おいしい!」とのこと。つい「ちょこっともらえませんか?」と言いそうになりましたが、さすがにやめておきました(笑)。ホントは「ちょっと食べてみる?」っていうのを期待していたんだけどな~。

ファーマーズマーケットの端から端までの物色を済ませ、いよいよお買物モードにスイッチオン。結局、私が買ったのは、超特大のアボカド4個、大きなトマト4~5個、アメリカでは珍しいかなり大ぶりの生姜、バナナひと房。それで事前に準備していた20ドルの半分ちょっとだったかな。他にも魅力的なものはたくさんあったのですが、食べる方が追い付かなさそうなので、これくらいで断念。ちなみにJackたちは、私が知る限りでは、超特大の桃(2個)とブルーベリー(5パック)を購入していました。

初のDenio's 体験で一番心に残ったこと

たっくさんの(あえて愛をこめて言いますが)Junkたち、新鮮で安い果物や野菜たちはもちろんですが、この日、私の心に一番残ったことは、間違いなくDenio's でのTrishaの姿でした。Jackから、彼女がすごくDenio's に詳しいということは聞いてましたが、歩きながら話しをして分かったことは、彼女が子供の頃、お父さんがブースを持っていて、言葉通りDenio's で育ったということ。それを聞いて、あぁそういうことかと納得しました。というのも、Denio's にいる彼女が、
She belongs to the place (彼女がその場に所属している)で、
Everyone treats her like one of them (Denio'sの誰もが、彼女を彼らの一員のようにやりとりしている)
そんな光景に、不思議な感じがしていましたからね。
Trishaに、子供の頃の彼女を認識している出店者がいるのかどうかと聞いてみると、それはないと思うと言っていました。だとしても分かるんでしょうね、「仲間」のにおいが。時間も人種の壁も越えて。なんだか素敵。
彼女とお店の人とのやりとりは、お隣に住んでるおじさんとおねえちゃんって感じで、何度もほっこりさせてもらい「なんだかいいな」な光景をたくさん共有させてもらえた、楽しい一日でした。
Jack、Trisha、ありがとう!

 



Denio'sで育った彼女に納得。
One o。 them として受け入れられている感じが素敵
彼らのガイドなしでは全く違うDenio's 体験だっただろう


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