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「彼はKiwi(キウイ)」どういう意味?!

インド人といったら?!

先日、旦那さんとふたりで、日本人が英語で日本にいる外国人にインタビューをするYoutube動画を見ていました。この手の動画は、ある程度日本を経験した外国人が、日本や日本人に対してどういう印象を持っているのか、また、実際に日本でどんな経験をしたのかなどの生の声が聞けて、なかなか興味深いものがあります。
その日、たまたま見ていた動画のインタビューの対象は、日本在住、または日本を旅行中のインド人でした。ところでインド人というと、多くの日本人のイメージはなぜか「カレー」(笑)。あとは「インド人もびっくり」なんていう謎のフレーズがあったり… 他にはターバンとか? 私も日本人のひとりとして、悪気があってのことでないことは分かっていますが、世界的に見たら、ちょっと微妙なんですね。アメリカで日常的にいろいろな国の人と生活を共にしている今でも、ついターバンを巻いた人がいる状況を説明するのに「ほら、あそこにインド人がふたりいたでしょ?」なんて旦那さんに言ってしまい「なんでインド人なの?インド人とは限らないでしょ?」と注意されるなんてことも。確かにそうですよね。シク教の教徒という可能性ももちろんあって、『ターバン=インド人』というのは、あさはかな固定概念で、人種差別ともとられかねないのです。
ちなみにアメリカでは、Technology関連の大きな会社がある地域にインド人がたくさん住んでいる印象があるようです。あとはお医者さんなどの医療関係でしょうか。このあたりでは、IntelやDellなどの大きな会社があるFolsomというエリアに、比較的インド人がたくさん住んでいると聞きます。住んでいるということは、彼らの生活があるということなので、自然とインド系のレストランやスーパーマーケットなども多くあり、そうやってインド人コミュニティができあがっているのですね。
アメリカでのインド人(アメリカにいるインド人)の印象としては、まず「頭がいい」である気がします。国民性をひとつの言葉でくくること自体、どうなのかとも思いますが「カレーとターバン」よりは失礼でないのかも。

「彼はKiwi (キウイ)」?!

話を戻します。
見ていたインタビュー動画に、日本を長期旅行中で、ニュージーランドで生まれ育ったインド人が登場したときのことでした。
一緒に見ていた日系二世の旦那さんが

”But, he's Kiwi” (でも、彼キウイじゃん)

と言ったのです。その発言に「え?何?」と聞き返してみても、返ってくるのは同じこと。彼はキウイ。。。???
やっと私の頭に浮かんだ、たくさんの「???」に気づいた様子の旦那さんの説明によれば、ニュージーランド人のことを「Kiwi (キウイ)」と言うのだそう。なぜ?という疑問はおいておいたとして、その時、私の頭に浮かんでいたのは果物のキウイでした。キウイってニュージーランドだっけ?と思うのと並行して、「もしかして…」と思い当たったことがあったので質問してみました。

「それって、2世とか3世とかの日本人やアジア人をバナナって言うのと同じ 
 感じ?」

何のことだかか分かりますか?
例えば、日本からアメリカに移住した人は日系一世、その子供が二世、そのまた子供が3世というふうになります。二世以降、先に進めば進むほど、アメリカ生まれアメリカ育ちで、血は日本人でも、日本語を話さなければ、日本のことも知らないし、興味もさしてないという欧米化現象が進みがちになります。そんな状態の日系アメリカ人やアジア系アメリカ人が「バナナ」と呼ばれることがあるのです。黄色い皮をむけば、中身は白い「バナナ」ということ。要するに、肌は黄色いけど、中身は白人と化しているということで、これは蔑視用語。人種差別問題の大前提として、肌の色に関しての発言はとにかくNGです。「Cool Japan」なんていうアニメやゲームなどの日本のPOPカルチャーが注目を集める以前に、子供時代を過ごした旦那さんは、学校で「バナナ」はもちろん、「Jap (ジャップ)」などと呼ばれた苦い経験があるそうです。
とにかく、果物の「キウイ」を思い描いたが故の、私の疑問に対しては
「それとは違う。そういうことではない」とのことでした。
そうなんだ… って、じゃぁ、いったいどういうことなの~?

「キウイ」は、ニュージーランド人が誇る愛称

ということで調べてみると、「Kiwi (キウイ)」というのは「Kiwi bird (キウイバード)」という、ニュージーランド固有種の鳥の名前なのだそうです。写真で見ると、ずんぐりむっくりしたくちばしが長~い鳥。なんだ、果物のキウイではなかったんですね。なんでも、このキウイバードは昔からニュージーランドの珍しい鳥として有名で、最初は国の愛称として使われていたそうです。日本の「桜」みたいな感じでしょうか。そして、第一次世界大戦中に、多くのニュージーランド連隊がキウイバードのエンブレムをつけて戦ったことで、まずはニュージーランド兵が「Kiwi」と呼ばれるようになり、その後、国民も「Kiwi」と呼ばれるようになったというのがいきさつのようです。
「バナナ」と違う点は、ニュージーランド人が自分たちのことを「Kiwi」と呼ぶこと。つまりは蔑視用語でないどころか、むしろニュージーランドが誇りに思っている愛称なのですね。
ちなみに、果物のキウイですが、元々の原産は中国だったものの、ニュージーランドで品種改良を経て、商業的に大量生産されるようになったそうです。欧米に輸出される際に、ニュージーランドの象徴である「キウイ」という名前で呼ばれるようになったということなので、鳥の「キウイ」も、果物の「キウイ」も、人の「キウイ」も、全てがニュージーランド人の母国愛でつながっているということになります。なんだか素敵。

日本の愛称は…?!

日本にもニュージーランドの「キウイ」みたいな愛称があればいいのにな、なんて思いませんか?
ニュージーランドの「キウイ」のように、老若男女関係なく使えて、世界に通用する愛称。他国の人からも親しみをもって呼ばれて、自分たちも誇りをもって呼べる愛称。
今のところ、海外の人目線では、日本人は「Ninja」とか「Samurai」になるのかもしれませんが、どうしても男性のイメージが強いし、これはちょっと違いますよね。
花なら「Sakura」?
鳥なら「Tsuru」とか? え、まさかね。
果物だったら「Kaki」? いやいや、これもないな。

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