これがホントのクリームソーダ?!
10年目を迎えるアメリカ生活、現在の私は、健康志向の高級スーパー、Wholefoodsのベーカリーで働いています。Wholefoodsは、オーガニック商品はもちろん、体に悪いとされる成分が入っているものは売らない、つまり売っているものは安心して買うことができる、というのを最大のウリとしている高級スーパー。私のイメージとでは、日本のQueens Isetan。体に優しい、高品質の商品に対して、それなりに高い値を支払うお店、みたいな感じです。特定の成分を気にしている人でも、いちいち成分表をチェックすることなく、安心して買い物できるのがWholefoods、ということになっています。
さて、そんな高級感漂いまくりのWholefoods、働き始めるまでは、特別のことでもない限り、利用したことがありませんでしたが、従業員になることで、ラッキーにもWholefoods商品がグググと身近になりました。まず、社割。まぁ、20%引きの社割を使っても、私が愛用する格安スーパーにはかないません。よって、普段の買物こそしないものの、仕事終わりにちょこっと食材を買って帰るとか、頑張った自分へのご褒美を購入、なんてことは気軽にできるようになりました。そして、通常以上の仕事量や頑張りが認められると、Bossから10ドル分のランチクーポンなるものが支給されることがあって、これが結構嬉しかったりします。このクーポン、以前はもっぱらお寿司に使っていたのですが、最近はHot Barといわれる、いわゆる、お惣菜の量り売りにハマっている私。お惣菜といっても、アメリカンはもちろん、中華、メキシカン、インド、イタリアンなど、選り取り見取り。Salad Barもありますよ。定価は1ポンド(500g弱)で10ドルとなかなかのお値段ですが、私の場合、社割がきくので1ポンドを目指してチョイスして、それに大好きなKOMBUCHA(3ドル+)を足すと、10ドルのランチクーポンに、ほんの少し追加することになり、お得感ありあり。更にベーカリーから、分量が足りず売ることができない小さ目のパンでもお持ち帰りすれば、結構まともなランチになるのです。
従業員として、もうひとつ、私が毎日ちょっぴり楽しみにしていることがあります。賞味期限間近、微妙な売れ残りなどの理由から販売不可能になった商品の、従業員向け「ご自由にどうぞ」コーナーです。休憩室のカウンターの一角が、そんなFree(只)商品置き場になっています。頻繁に登場する、少々熟れすぎてしまったバナナ、アボカドの他にも、パッケージ済みのパン(私たちが作っているものではないです)やサプリメント、デオドラント、季節限定のお菓子やコーヒー豆、シリアル、ナッツ、香辛料などなど。出勤時、休憩中、退社時に、「何かないかな♪」とチェックするのが習慣になっています。お菓子などにしても、なんせ「体にいい」ものなので、時には健康的過ぎてちょっと、、、ということもありますが、普段自分では購入しない商品を試すことができる、ちょっとした楽しみになっています。何よりも只ですしね(笑)。
この休憩室の一角でよく見かける商品のひとつが、フレイバー炭酸水です。暑い夏の時期には、ほぼ毎日無料提供されていました。無糖でフレイバーのみのもので、我が家でも常備していますが、お店でいただくものは、同じ炭酸水でも自分では購入しないような高級メーカーのものなので、ラッキー感はひとしお。一般的に、コーラやスプライトのような甘い炭酸飲料の人気&需要が高いアメリカですが、Wholefoodsは従業員も健康志向の人が多いのでしょうか、この、無糖の炭酸水も、結構あっという間になくなります。ところが先日、珍しく甘い炭酸飲料の缶がおかれていました。ゼロカロリーの「Cream Soda」。私は知識として、アメリカのCream Sodaは日本のクリームソーダではない、ということは知っていました。元来、甘い炭酸はできるだけ飲まないようにもしているので「只でもこれはいらないか…」と。ところが、Cream Sodaを視野の端っこに入れながランチを食べていると、どーにも気になる。ムクムク好奇心の登場です。実は、うちの旦那さんが「Cream Sodaはまずい」といつも言っているので、試したこともなかったのです。『まずいかもしれないものにお金を出す』と『好奇心を満たすため、無駄を覚悟でとにかく一度買ってみる』の天秤にかけた結果、比較的安価な飲料缶にもかかわらず、トライしてこなかった過去9年…。ならば、今こそ、絶好のチャンスではないか!と、結局1缶もらって帰宅することにしました。ちなみに、この只のCream Sodaの売れ行きが悪くって。うちの旦那さんのみならず、あんまり人気がないということなのでしょうか?でもそこがまた、気になるぅ。
飲んでみての感想の前に、日本のクリームソーダについて少々。日本でクリームソーダというと、てっぺんにさくらんぼが乗ったバニラアイスクリームが浮かんだ、緑色のメロンソーダが定番です。なぜか、男の人にファンが多いなどと言われますよね。そういえば、子供の頃にファミレスだったか、喫茶店だったかで、私はパフェ、兄はクリームソーダだった記憶があるような、ないような…。超甘党だった私としては、クリームソーダへの不満は一切ないものの、パフェ、アイスクリーム、ケーキ、あんみつなどの選択肢がある場合は、迷いなくそっちにいっていたのです。一方、あんみつよりもところてん派、だった気がする兄にとっては、クリームソーダは結構甘い部類だったのかもしれません。そんな私の数少ないクリームソーダの思い出は、大学生のときのこと。大学1年生の頃でしたが、週一で、歯医者さんで器具の洗浄消毒のアルバイトをしていたことがありました。その歯医者さんで働いていて、私にバイトを紹介してくれたのが、8歳年上の従妹のおねーさん。慣れないバイトでもあったうえ、なにかと世話好きのおねーさんでしたので、よーく面倒をみてもらった時期でした。バイトの休憩中に、当時飲みなれていなかった甘くない紅茶をもらって「おいしい!」と軽く感激し、心ひそかに少し大人になった気分に…なんてこともあったな。それまでは「甘くない紅茶を買うなんて信じられない!」と思っていましたからね。ある時、その従妹のおねーさんに喫茶店に連れて行ってもらったことがありました。「好きなもの選びな」とか言われてメニューを渡されましたが、そんなとき、理由もなく微妙に遠慮してしまう私。「じゃぁ、チョコレートパフェがいい!」と言えないんですねぇ、これが。で、選んだのがクリームソーダ。ウェイトレスさんが持ってきてくれたクリームソーダを前にする私を見て、従妹のおねーさんが言いました。「マァちゃん、青いクリームソーダが来たもんだから、びっくりしちゃったんじゃない?緑じゃないからね~(笑)」。確かにそのお店のクリームソーダは、とてもきれいな青色だったのです。特に驚いたという記憶もないのですが、久々のクリームソーダを前に、妙な顔でもしていたのでしょうか。なぜだかこれが、私の日本のクリームソーダの思い出です。
さて、少しだけ調べてみたところ、メロンソーダにアイスクリームをのせた飲み物をクリームソーダとしているのは日本だけで、世界的には、アメリカで見かけるCream Sodaが一般的とのことです。ということで、本当のCream Sodaを飲んでみることに。まず、色は透明。これは意外でした。というのも、アメリカで見かけるCream Sodaの缶やボトルは、たいてい茶色系の色をしているので、てっきりコーラのような色なのかと思っていました。意外にも見た目はスッキリ。悪くないですね。タイトル上の写真が、実際の写真です。さて、味はと言うと。。。うーむ。なんというか、炭酸入り砂糖水(飲んだものは、砂糖ではなくステビアでした)って感じですかね。妙に甘い。すごく甘いのではなく、妙に甘いのです。ここがポイント。よって、炭酸飲料のメリットである清涼感は皆無(笑)。まぁ、好みは人それぞれですから、これが好きと言う人もいるのでしょうが、微妙ですね。クリームのソーダという名前通りと言えば、確かにその通りなのかもしれません。ちなみに、日本人がほぼ苦手とする「ルートビア」という炭酸飲料がありますが、私は日本にいる頃から大好きなのです。輸入品を取り扱うお店やAmazonでも購入できますので、好奇心旺盛の人は是非お試しください。おいしいですよ~。私の家族は、みんなそろってダメでしたけどね。アメリカではルートビアは大人気で、缶、ペットボトルはもちろん、ファーストフードやレストランでも欠かせません。それと比べると、Cream Sodaの支持率は確かに低そう。でも、これがホントのCream Sodaということなので、とにかく一度試してみたことには満足です。『一味は百聞にしかず』ということで。
そういえば、その逆パターンで、うちの旦那さんは、日本へ行った時に500ml缶の「メロンクリームソーダ」なるものにトライしていましたね。元来、Cream Sodaは嫌いな上、食べ物に関しては好き嫌いがやたらと激しく、食わず嫌いでもある彼の行動としては、非常に驚きのものでした。私と同じく知識として、日本のクリームソーダはアメリカのCream Sodaと違う、とは知っていたようです。で、彼にしては大変珍しく、好奇心が勝った。彼らしからぬ行動。良き良き。で、感想は?「コレ、まずっ」。やっぱり…。Cream Sodaとのギャップにやられたのか、メロンソーダという飲み物自体についていけなかったのか、缶だったためアイスクリームが乗っていなかったのがいけなかったのか、とにかく撃沈でした。でも、何事も試してみないと分からないですからね。普段は「まずいに違いない」を優先して、トライすることすら回避する彼の行動パターンをも覆したクリームソーダ、ある意味、おそるべし、なのかも。。。