見出し画像

取り組む範囲は狭く、到達点は高く。

こんにちは!作文のまちか先生です。わたしは作文教室を運営するかたわら、福祉施設で発達障害・精神障害に対応した作文プログラムの非常勤講師もしています。

先日、2024年度下半期の作文プログラムについての打ち合わせをしてきました。

施設の方々と、上半期を振り返りつつ下半期のプログラム内容を検討。フィードバックとしてご指摘いただいたことが、わたしにとって大きな気付きとなりましたので、note記事として書き残します。

「作文ワークショップでのテーマがいつもぎゅっと絞ってあって、利用者さんも取り組みやすいし我々スタッフもサポートしやすいです。それでいて到達点はサポートする我々にとっても大変勉強になるもので。引き上げるというより、こう、支えてぐーっと持ち上げていきますよね、まちか先生は。毎回、できた!やれる!を全員が味わえるところが非常にいいですよね」

わたしが意識してやっていることと、無意識でやっていること、どちらも含まれていて、なるほどーーーと深く頷いてしまいました。

発達障害・精神障害をもつ、18歳以上の方々が通う福祉施設です。支援は、自己理解を大切にする「生活支援」と、社会に出ることを目指す「就労支援」に分かれています。

一般的に文章の書き方を学ぶというと、履歴書の書き方だったりビジネス文書の作成方法だったりが”すぐに使える”スキルとしてイメージされると思います。そのあたりのことを、実際どう?と、利用者さん達に聞いてみると「いきなり無理」「苦手だからやりたくない」「面白くない」と。たしかにな、と思うのです。施設のスタッフさん達も「課題の一つです」とおっしゃっていました。

オン・オフという分け方や、仕事・プライベートという分け方がありますよね。働く自分と普段の自分でいえば、わたしは「非日常」と「日常」という分け方もあるのではないかと考えています。

利用者さんである発達障害・精神障害の当事者さんたちとおしゃべりしていると、働く自分がイメージできないという話になったりします。言いたいことが伝わらなかったり、言葉でトラブルになった過去から苦手意識が強く出てしまうと。うん、例えば、今の自分が日常だとすると、働く自分がまだ非日常なのかも……と、これは個人的に思ったことです。

日常と非日常がとけあうようにつながれたら、苦手意識も軽くなれたりするかな?と考えて作文プログラムを組みました。

自分の気持ちや意識をつかまえること、誰かとコミュニケーションをとること、目的や用途に合った文章があること、やりたいことやなりたい自分を言葉が後押ししてくれること。

普段の暮らしでも使えることが、仕事にもいかせるんだ。そういう実感が、日常と非日常の境界線をとかしてくれるのではないかと。そう提案してみました。施設オリジナルのプログラムとして提供しているので具体的内容は明かせませんが、新しい取り組みとなりそうです!

イメージしやすいように、ライターのセミナーをにあげてみます。

●WEBライティング(広)
 タイトルの付け方(狭)、段落の作り方(狭)、文末表現(狭)
●セルフブランディング(広)
 プロフィール作成(狭)、実績の見せ方(狭)、コンセプト作り(狭)

概要を伝えて+オプションで添削指導、このスタイルもありです。でも「取り組む範囲を絞り、到達点は高くキープ」をコンセプトに企画する場合、1回のワークショップごとに「文末表現を自在に扱えるようになる」とか「プロフィールを完成させた」とか、自分のものにできた!実感を積み重ねていってもらえたら、と。いうイメージです。

企画書を見てくださったスタッフさん達も、「今まで何となくでやってきたけど、これは自分もちゃんと知りたい」と。スタッフさん自身にも到達点に魅力を感じてもらえるってうれしい。取り組む範囲を限定することで、求められる到達点まで全員をグッと持ち上げられたらいいなと考えています。

こちらの施設でのワークショップ企画書は、指導案、進行スケジュール、準備物のほかに、スタッフの配置や動きも計画に入れておきます。ホワイトボードの前に立つ講師と連携して動けるように、事前打ち合わせもします。

わたしは「書くこと」「伝えること」を教えることはできますが、支援の現場においてひとりでは力が足りません。施設スタッフには、福祉のプロと心理のプロがいます。手を取りあって良い体制を作っていきたいです。

これまでお引き受けしてきた社員研修やセミナー系では、こういうきめ細かい企画は作成したことがなかったので、わたし自身とても勉強になっています。

更新されたばかりのMasaさんの記事を拝見して、共感の嵐でした!

誰一人取り残さない、全員がわかる授業、そんな授業を教師は常に目指さなければなりません。もちろん、難しいです…!私も、完璧にできるかと言われれば「絶対にできる!」なんて胸を張って言えません。一人ひとり違う子供たちを全員に分からせるのですから。

最も有効な解決方法は、「チームを組む」です。

支援員さんがいると分かっているのなら、学習指導案に明記すべきです。支援員は基本的に教師の指示の下動きます。授業者の明確な意図のもと、インクルーシブ教育推進のために意図的支援へと結び付けなければなりません。そのために、有効に活用してほしいと思います。

授業では、一体何を目指すべきか?インクルーシブ教育の推進のために私たちができること

チームを組むって、本当に大切だなと実感しています。チームでの連携が、参加者の理解度や達成度を大きく左右するんだな、と。わたしもそうありたいと思いました……!

Masaさん、素敵な記事をありがとうございます。

あとがき

わたしはライティングの仕事をするとき、特に暮らしまわりのジャンルでは「日常の中の非日常」「非日常の中の日常」を意識して書くことで、原稿にメリハリが生まれるなぁと感じることがあります。

生活スキル・就労スキルとしてお教えしている文章術(作文ワークショップ)ですが、暮らしと仕事、自分と社会、それらは分けられるものではなく繋がっていると感じてもらえたらいいなぁと思いました。

/ シェア&コメント大歓迎♪ \

いいなと思ったら応援しよう!

まちか先生|作文講師・ライター
サポートは作文教室を広げる活動に使わせていただきますね。「作文大好き!自分大好き!」な子どもがどんどん増えますように♡