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馬鈴薯≠ジャガイモ?通説を切り捨てる『植物一日一題』

私のマガジンの
「植物ほぼ一日一題」
というタイトルは、

・牧野富太郎の「植物一日一題」
・糸井重里氏の「ほぼ日刊イトイ新聞」(通称「ほぼ日」)

この2つを組み合わせています。
今回はそのパクリ元の一つである「植物一日一題」についてご紹介します。

「植物一日一題」は、日本の植物学の権威である牧野富太郎の著書です。
「馬鈴薯とジャガイモ」「アサガオと桔梗」など、様々な植物にまつわるショートエッセイ集。
(著者の没後50年が経過しているので、青空文庫で読めます

で、エッセイの内容は、植物やその名前の由来に関するものがほとんど。
読んでいて特に印象に残るのは、日本人の植物への勘違いに対する徹底的なダメ出し

例えば本の一番最初の「馬鈴薯とジャガイモ」というエッセイでは、馬鈴薯はジャガイモではない! と再三主張しています。
「馬鈴薯」という名前は本来中国では別の植物を指すものだったのに、日本の学者が勘違いをして「馬鈴薯=ジャガイモ」という誤りを広めてしまった。というお話です。

現代を生きる私たちも「馬鈴薯=ジャガイモ」だと当たり前のように思っているのでは。スーパーでも「ばれいしょ」って売ってるし。
しかし、これは牧野富太郎に言わせれば

こんな間違った名を日常平気で使っているのはおろかな話で、これこそ日本文化の恥辱でなくてなんであろう。
その間違いを敢てしているものはひとり日本人だけである。これはちょうど馬を指して鹿だといい、人を指して猿だといっているようなものであるから、この馬鈴薯をジャガイモと呼ぶことは躊躇なく早速に廃すべく、したがって馬鈴薯の名は即刻放遂すべきものだ。

厳しい!!!!!

もちろん「日本で最大の南天材」や「茶の銘玉露の由来」など、ダメ出し以外のエッセイもちゃんとありますが……それにしても厳しい……。

でも「馬鈴薯=ジャガイモで定着しちゃってるし、まあいいや」で終わらせず、間違いは間違いだときっぱり言い放つその厳しい姿勢は、植物への愛があふれた結果でしょうね。
植物をまっすぐに見つめ、真実を解き明かし、通説に抗う。
うおお、かっこいい!!! 最高にロックだ!!!

(でも、私のnoteはもっとソフトな言葉遣いを心掛けたいです……)

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