🍸ふじ子の部屋🎤🎶

ルールル、ルルル、ルールル…と、やってまいりました。今日は、ラジオドラマ『スナック☆ふじ子』の舞台裏をお見せします!

断念したミュージカル…💃

メンバーそれぞれの公演が無事終わり、やっとこさ動き始めた6月初旬。
着想から早、5ヶ月が過ぎようとしていた。

あっという間の月日だったが、このブランクは予想以上に大きかった。何より私自身が、ビジョンとモチベを失いかけていた…（おい）

『リリアン』、『リリアン（2022年版）』とラジオドラマばかりやってきて、そろそろ実写（？）で…という思いが私の中では募っていた。

「ミュ、ミュージカルなんてどうでしょうかっ‼︎?」久しぶりのＭＴで、かなり勇気を出して提案してみたものの、メンバーの反応はイマイチだった。（付け加えておくと、私はミュージカル作品が大好きで、密かに自分も歌って踊って💃🎶をやってみたいという夢を育てていたのである）

諦めきれずに「じゃあ、（50歩譲って）音楽劇‼︎」と言い募ったが、やはり芳しい反応は得られなかった。

↑ミュ、ミュージカル？…無理じゃね？　の苦笑いを浮かべるみなさん。

そもそも、ふじ子はラジオドラマでいこう、という前提は最初からあったわけで、みんながビミョーな顔をするのも無理はない話ではある。

今回実写をやらなかったのは私としてはやはり残念だったが、いつか時が満ち、タイミングが揃った時に、舞台版ふじ子も実現できたらいいと思っている。（できれば、ほんとのスナックで！）

とはいえ、今回のメンバーは幸い音楽好きが集まったので、私にとって歌の収録は何にも増して楽しい時間となった。

懐かしき歌たち🧑‍🎤🎶

歌は90年代を中心に、メンバーから候補曲を募っていった。私は「さそり座の女」と「どうにも止まらない」を必ず使いたいと思っていたため、台本の段階から、この2曲は思い切りプッシュしていた。

※ちなみに「どうにも止まらない」は、私の推しているピューロランドのダンサー・エンターテイナーである相原由朋さんと増田豊さん（ゆたさん）のユニット、PANDORAの『★PANDORA★ Birth of a legend★』でのパフォーマンスを観て、絶対に入れたいと思った。

↑仲良くイヤホンを分け合って山本リンダを歌っている2人。

♪曲目リスト♬

・さそり座の女（店内音楽）

・置き手紙（song by 昭和の歌姫？）

・聖母たちのララバイ（はっしー先輩とあさひくんの”サラリーマンはつらいよ”）

・TSUNAMI（はっしー先輩と奥様の思い出の曲）

・十五の夜（バイクを盗んだボーイの眼は光り輝く）

・木綿のハンカチーフ（ネクタイ振り回してるのだーれ）

・どうにもとまらない（ママとボーイによる「スナック☆ふじ子」の”名物”）

TSUNAMI　vs　龍角散🎤🍬

TSUNAMIの収録を行った日、はしりょうの喉は公演後のダメージをまだ引き摺っていた。申し訳なさもありつつ、スケジュールも押していたため、頼み倒しての収録決行。

カラオケボックスで、彼はおもむろに龍角散の袋を取り出した。なんと龍角散を口に入れては、バリボリ、バリボリと音を立てて噛み始めたではないか…‼　

龍角散のおかげもあったのか、TSUNAMIは（泣き声も含め）素晴らしい出来だった。ただ一つ気になったことは、歯は大丈夫だったんだろうか…。

私のラジオドラマ前作「リリアン」にもキャストとして参加してくれたはしりょうが、「こういうレトロっぽい作品をまたやりたい」と言ってくれたのが、スナックのお話につながっている。

↑カメラを向けると必ずポーズを取ってくれるサービス精神旺盛なはしりょう。

孤高のボーイ🍸✨

スナックの物語はどうか、と話していた時、「スナックまさ子なんてどう」とあきらが言い、思えばふじ子のすべてはここから始まったのかも…。ママはまさ子でなくふじ子になったけれども…笑

あきらのスマートでお茶目なボーイさんはとてもはまっていた。シェイカーを振る動作もタキシードもきっと似合う。実写で見たい。

あきらは音楽にも詳しくて、自分で作詞作曲もする。今回唯一のオリジナルソング「置き手紙」はあきらが作曲した歌に、あさひが歌詞をつけたもので、それを私が「歌わせてくれ」と懇願して今回の形になった。

あきらの歌は素晴らしかったので「置き手紙　ボーイver.」も待ってます。

↑苦労した歌の収録。どうしたら綺麗に録れるかみんなで知恵を絞る。カラオケっぽい音の加工は、あきらがやってくれた。

生粋の昭和かぶれ🎶🎷

昭和の音楽に関しては、やはり何と言ってもあさひが強く、多くの曲の候補を出してくれた。昭和かぶれっぷりは作詞してくれた「置き手紙」にも表れていて、ある女性が恋に破れて都会を去る…そんな情景が浮かんでくるような素敵に渋い歌になった。（この時、私も見よう見まねで作詞をしたが、コンペで落選した）

台詞の収録中に、あさひがくれるアイディアは超絶面白く、ほとんど採用した。台本の軸を変えることなく面白い方向にもっていってくれるので、これは新しい種類の演出なんじゃないか？と思っている。「ぴえん」はツボだったなぁ…。

あさひも小説仲間で、書いたものを時々みんなに見せてくれる。いつかあさひが書いたコメディを一緒に演じてみたい！

↑「ぴえん」が生まれた瞬間。

ママの口紅💄💋

ふじほど創作の「過程」を楽しんでくれる人はいない。話し合いで何も決まらずただのおしゃべりで終わっても、ふじはたぶんがっかりしないと思う。しかもそれでいて、収録の段取りや進行を買って出てスムーズに仕事をこなしてしまうのだからすごい。ふじのおかげで、私は収録の間中、ほとんど遊んでいられた。

公演前の稽古中にもかかわらず編集もこなし、大変だったと思うけれど、そんな様子は私たちには微塵も見せず、黙々とやり遂げてくれた。

私のイメージの中でママの台詞は、ごてごてのラインストーンできらびやかに彩られている。役作りのため、ふじが収録の最終日に付けたオレンジ色の口紅は、（マスクの下ではあるけれど）ママの声に艶っぽく照っている。

（おそらくは女装家でもある）「スナックのママ」という難しい役を、楽しんで演じてくれたことに感謝している。

↑進行役も、ママがしっかり果たしてくれている。私は冷房を点けたり消したりする係。

小娘≠子狸🍃🐾

「小娘というより子狸だね」ふじ子の前半部分を妹に聴かせた時の感想。腑に落ちすぎて笑いが止まらなかった。

スナックにはママがいて、ちいママがいて…。ふじ子ママが「あんたのことは小娘と呼ぶ」と宣言した時、私の役は”小娘”に決まった。

２回に分かれた収録の間には、１カ月半もの隔たりがあった。その間、後半のシーンにママの長台詞（ほとんど独白）を書き足したことで、「ふじ子」の名を冠した老舗スナックの輪郭もよりくっきりした。目指していたスナックの薄暗さと靄の中の光、匂いが、台詞の間にようやく流れ始めた気がした。

最後の収録までに小娘の像もいくらか厚くなった。ママに対する屈折した思いの突破口が見つかった結果小娘は、うだつが上がらない自分の現状さえも吹っ切れたらしい。収録の後には、私までどこか爽やかな気分に吹かれていたのである。

歌わせてもらった「置き手紙」に関しては、昭和の歌姫って、すごかったんだなぁ。という感想だけ述べておく。

↑人間の中に、ケモノが一匹。

オリジナルソング『置き手紙』🌃🍸

本編では披露出来なかった歌の全貌を、ここにお目にかけようと思う。

『置き手紙』　

作詞:あさひ　

作曲・ギター演奏:あきら

闇夜に咲いたネオン街　憧れも今は眩しいの

あなたとの日々を辿っても　記憶に仕舞う笑顔だけ

お別れは突然よ　責めるなら月明かりをね

片道切符を抱きしめた　今だけは主役なの

電話帳にあなたのページは要らないわ

最後残す言葉が見つからず切り裂いた

追わないで探さないで　一人で私は生きるから

泣かないで思わないで　流行りの風邪は治したの

揺り籠に身を任せ　想い出の街見下ろすの

夜明け前には終点へ　夢の中で連れてって

さよなら気付くまで指折り数えてるの　

あなたの数字部屋に戻すから帳消しね

知らないわ戻らないわ　都会にあなたの忘れ物

泣かないわ思わないわ　今宵は静かに眠らせて

イメージ画

今回のお洒落なイメージ画は、私の幼馴染である"みさき"の手によるもの。

いつも友達思いのあなたが大好き。小・中学校と一緒に過ごしてきたけれど、いつでも心を開いて、恐れずに意見を言えるまっすぐさには憧れる。これからもよろしく。

ポップコーン‼のような創作🍿💥

今回の創作のテーマは「一緒に作る」。

これは映画『距ててて』、および「点と」のユニット（点と　ホームページはこちら。ここで加藤紗希さんと豊島晴香さんの小説リレーも読める🔥　）を田辺・弁慶映画祭2021で知ってから私が憧れながらも、不得手とするものでもあった。不得手と分かっていながら敢行した、だからメンバーに対して配慮が不十分な点、力不足も多々あっただろうという反省もある。

拡大と収集は相反するものだが、創作上では両方必要だ。物語は、始まったらいつかは終わらなくてはならない。ふじ子に関わった時間は、メンバーの意向をどこまで酌んで、どこまで自分を押し通すか（‼）に悩みながらの日々だった。

みんなに意見をもらいながら台本の下地を書いた。その後の読み合わせや演出の過程は、想像の斜め上をゆく面白さがポップコーンのようにポンポン生まれていく驚きと楽しみの連続だった。

皆の協力があって、ともかくも完成させることができたこと、楽しい時間を過ごせたこと、ありがとう。今回の台本は、曲がりなりにも「あてがき」であり、それぞれが自分の役に愛着を持って演じてくれたことが嬉しい。

「スナック⭐️ふじ子」はあなたを待っている

どこかの高架下で、今宵もスナックの明かりが灯る。浮世を嘆き憂いながらも、音楽を頼りに今日を生きるのである。