夢を持てない働けないで悩んできたざっくりとした話

子どもの頃は絵を描くのが好きで、小学生(低)の頃は休み時間にずっとひとりで自由帳に向かってた。

その頃に、なんか某通信教育の読み物かなんかの子ども向けの適当なおしごと図鑑みたいなので、
"絵をかくのが好きなら…「マンガ家」"
ってのを見た記憶がある。
他は「医者」だとか「看護師」だとか「スチュワーデス(って今言わない)」だとか「学校の先生」だとか、そういう大雑把なくくりのざっくりした読み物程度のものでしかないやつ。
それから私はしばらく、将来の夢を聞かれたり書いたりすることがあったら「マンガ家」って答えてた。

でもすこし大きくなって5年生くらいの頃に、私はマンガなんて全然読んでないし、周りの子たちはなんかマンガ買ってもらったりしてるんだかいろいろ話題にしてるけどそんな話題には一切ついていけないし、そんなんで「マンガ家になりたい」って言ってるのおかしいよなって思った。

それで、絵を描くのを人前で見せられなくなっていったし、「絵を描くのが好きな自分」を少しずつやめていくようになった。

絵を描く仕事=漫画家
しか知らなかった子ども時代だった。
今思えば、あまりにもひどい情報不足だし知識不足だ。

その後も、ピアノの先生(いま習ってるから)とか、教員(学校なら今いるからどんな仕事かわかるから)みたいな、特に憧れを強く感じたことのないものをとにかく将来の夢ですと答えては、違和感を押し殺して過ごしていた。
そして世の中に、他にどんな仕事があるのかを知るということをなんとなくずっと避けてきてしまった。なぜなんだろう。たぶん大人になるということはなんとなくずっと怖かった。

そんな感じで、進路希望は教員養成のところに完全に絞り込んで、他の可能性というものに全く思いを巡らすということもないまま大学生になった。

余裕がなかったんだと思う。
前にnoteで書いた自分の惨めな状況から目を背けるために、とにかく現役で大学に行くということだけしか頭になかったと思う。

そんな感じで大学生になったけど、私はすぐ「バイトができない」で悩むことになった。

周りの同じ学生たちがどんどんいろんなバイトを始めて、中には将来を見据えて塾講師をする人も多く、そんな中で私は「何故他の人たちがそんな難しそうなものを始められるのかわからない」という心境。

2年になって、ようやくありついたコンビニのバイト。もうその時点でバイトを一度もしたことのない人が所属のコースの同期たちの中で自分しかいないみたいな状況。
これは、コンビニかファーストフードは高校生でもやってる同級生がいたから、高校生でもできる人はできるバイトの定番で簡単そうな感じだからということで選んだ(非常識にも程がある)。

でもこれがことごとく大失敗だった。
たったの週1、でもまず仕事を覚えるためにと入れられた9時から17時の長いシフトで、とにかく何もできなくて、お釣り間違えた時の客からのキツイ言葉、ソフトクリーム巻くの練習もできないのに本番なんてうまく巻けなくて何個も買い取り(これでどのチェーンかバレる)。そして何よりその店のマネージャーが、こんな元がショボい私にとってはあまりにも恐ろしい人で、2ヶ月も続かなかった。

ちょうど大学のテスト期間に入ったからしばらく休むと伝えたまま行かなくなって、しばらくしてから泣きながら電話して「もうやめます」と伝えた。
雇った以上働いた分に応じて支払う義務のある給料を、受け取りに来てと言われても「いりませんので」(とにかくもう行きたくなかった)と答えるくらいの常識の無さ。

人と比べて、なんでこんなにバイトもできないのだと心底恥ずかしくなった。

周りの人と比べて、自分は足りないことだらけ。そういう感覚で、もともと無い自信なんてもう地に落ちてしまった。

それからいくつか紹介してもらったり、始めようとしたバイトもあったけど、こんなの自分にはできないと判断するか、自信のなさが前面に出て採用されないかのどちらかのまま、単位だけはしっかりとって大学卒業を迎えた。でも就職なんて当然考えられなくて、仕方なくその場で進学した。

そのたった2年だけど延長した学生時代で、海外演習に行ったり、やってみたいと思ってギター習ってみたりするなどようやく学生らしい経験もできるようになってきた。そして、きっかけはギター教室代のためにと奮起して始めたとある学習教室での丸つけバイトが、学生時代最後の1年でようやく始められて続けられたバイトだった。

そうやって延長した学生時代も、自分の行き先を定めるには足りなくて、そのまま何にもならないまま地元に帰った。卒業前には、教員やめるって言えなくて採用試験も受けたけど、受かりたい気持ちはなく、勉強するフリはしてたけど実技なんて対策はしなかったので、何故か進んでしまった二次試験の最中に棄権した。本当にひどいやめ方だった。

ずっと、そんな感じで、「働くこと」へのコンプレックスが消えない。

その根に、周りと比べて卑屈になったり、知らないことが多かったりなど、様々なことが重なって、「夢を持ちたかったのに持てなかった」ことがあるんだと思う。

たぶん、全く働けないわけではないんだと思う。
一応、そのあと教員免許を元手に子ども関係の正規の仕事にも就いた。
けれどそこでは面倒なパワハラ問題等々にぶつかった。もう思い出すのも書くのも面倒くさいし比較的最近のことなのでもう書かない。

そういう経験しかないから、子育てしながらという状況で、何か仕事ができないかと考えたり探してみたりしても、できないことをまず考えてしまう。単発のバイトならいいかもと思えそうだけど、単発のバイトという経験がないのでそれすらも失敗を恐れてしまう。

でも、まともに働けたらいいなあ。
せめて自分の収入が作れたら。
という気持ちはずっと持ってる。

そして、自分自身の力で叶えたいと思える夢もやっぱり欲しい。


先日、とある某配信(ならぬ坊配信)の投書的なところで、匿名で「夢がないという悩み」について送った(もうこの時点で匿名ではいられない汗)。
まさか採用されるとは思ってなくて、考え事の迷宮の深夜テンションで送ってしまった。

"そもそも夢があることが正義という風潮がよくないよね"
"夢があっても大変なことは多い"
"夢がなくたって幸せじゃん"
"自分にとっての幸せを求めることが大事"

憧れの人たちからこういった言葉が聞けて、心から嬉しかった。

本当にこの人たちから頂いたたくさんの生きる力に報いる、自分の幸せな人生を歩みたいものだと心底思ってやまない。