<File.28> ニヤニヤすんなぼけ
国家公務員、20代後半
(バ◯ェラーデート・ノーマル)
よしよし。
レート上がってきたおかげか
マッチング悪くなくなってきたぞ
...とこのアプリに踊らされ始めていたときに。
あああ。
そりゃノーマルランクだろうと、地雷はいるわなぁあああ。
と私の心が叫んだ。
よく考えれば別に、
世の地雷男の割合と同じだけ、アプリ上にも地雷男はいるはずだ。
不意打ちの地雷が一番くるわ。
いやー。バ◯ェラーデート、当たり外れがすごいよ。
当日、少し早く着いて待っていたところ。
「緑のコートで髪が長い人です。」
の文字。
男で髪長いの嫌いなの〜〜〜短髪っていう条件出してるじゃん〜〜〜
(まぁでも最悪、切らせることもできるか...)
って、え?緑のコート?それ一般人が着てオシャレなの?
(まぁでも最悪、服の好みは私流に育てられる...)
とか考えていると、
数分後、向こうから歩いてくる男。
あ、こいつだ。
一瞬で分かったが、私は一度見なかったふりをしてスマホを見た。
髪長いって、え〜〜〜〜????
長いどころの話じゃないだろ、肩まであるぞ。
緑のコートも、思ったより緑だな。しかも床につきそうなくらいロング。
国家公務員だよね?嘘だろ...
「〇〇さんですか?」
「...はい。」
ただ。
私が、数々の猛者と会っても
なおこいつをとくに地雷と呼ぶのは、他に理由がある。
会話中ずっと
下賎な目でニヤついていたから。
とにかく、人を馬鹿にしたような話し方だった。
これはもう嫌われようと思って、
あることないこと、こいつが引きそうなことを話した。
馬鹿にしたその表情が濃くなっていく。
私は...吐きそう。
30分ほどしたところで一言。
「国家公務員って、研修でも厳しく言われるんです。
利害関係者に奢るな、割り勘にしろって。〇〇さんは利害関係者です。」
聞いたことねぇよ。
まぁ、どうでもいい。
男と会計を完全折半したのはこれが初めて。
この後予定があって、と1時間もせずに私から切り上げたのもこれが初めて。
<ニヤニヤすんなぼけ>
ファイリングするのもやだなこの人は。