捨てられる患者 ver.1
CRP11.89
Na119
進行がんでフォローされている患者さんの血液検査のデータである。
少々詳しい方はお気づきかもしれないし、お分かりにならない方ははGoogleで調べられると理解できるはず。
結構悪い。
主治医は何もしないと患者さんに伝えて、そのまま帰宅となった。
呆然となった患者さんは、友人(非医療者)に相談した。
翌日、やはり体調が悪く、友人の勧めもあり主治医に連絡した。
しかし診察はできないとのことで、結局他院を受診しそのまま入院となった。
事実だけを書いた。
この患者さんは聞くことろによると、深刻ながんである。
進行がんであり、おそらく末期状態。
だから、この検査データは結果論であり、もうどうしようもない。
治療をすることで死期を早めることもあるかもしれない。
だから、これ以上のことはしない。せめて患者さんを苦しめないためにも。
おそらく、医師はそう考えたのではないか。医師であるぼくはそう推察する。
では、患者さん側はどうだろう。
呆然となり医療者ではない友人に相談したところが物語っているのではないか。
もしかすると、主治医に見捨てられた(捨てられた)と思ったのかもしれない。
患者さんと医師の思いはすれ違っている。
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