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地縁・血縁に頼らない新たな互助・循環型コミュニティーの創造

なるべく注意して書きたいと思います。

日本は地縁や血縁というものを、これまで非常に大切にしてきた(している)と思うのです。

一定の条件下においては、とてもよくできた仕組みだと思います。
一定の条件というのは、地縁で言えば、一定の人口があったり、一定の多様性があったりなど。血縁で言えば、親族の数が多かったり、近くに住んでいたりなど。もちろん、これらの条件がかえって悪条件になることもあるかと思います。

一方、地縁は「村八分」という言葉で代表されるように厳しい局面もあります。血縁は、ぼくは職業柄厳しい場面をたくさん見てきました。喧嘩はまだマシで、放棄やDVなども。そもそも血縁者が全くいないという孤独な人も増えている印象です。

そんな経験をして、ぼくは今後の日本では、地縁や血縁に頼るやり方はもう無茶だと思うに至りました。そして、それらによらない新たな互助型が必要に違いない、そうしないと今後の少子高齢化社会、独居世代の増加などは乗り切れません、きっと。


なぜこういう思いに至ったのもう一つの理由を。

それは私が運営するオークを遠巻きに見ていてです。オークは基本的にシニア向け住宅ですが、世間にありがちな介護事業所併設や夜間当直ありは全くありません。日中の常駐スタッフもごく限られていて、わずか一人ということも少なくありません。

介護保険サービスを使う方ももちろんいらっしゃいますが、ご自宅にいらっしゃったときに比べればごく限定的です。
なぜなんだろうと、不思議で眺めていたんです。すると入居者さん同士が緩やかに支え合っているんですよね。つまり互助。

さらに興味深かったのは、スタッフすら横並びなんです。一方的に手を差し伸べるのではなく、一緒に考えているというか、やりすぎずそっと見守っているというか。


オークにはもちろん地縁も血縁もありません。きっと何かしら共通する、例えば岩手山や自然が好きだったり、オークが好きだったりで緩やかにつながって、ちょっとずつ支え合っているのだと思います。その結果、介護サービスの利用はごく限定的なところに落ち着いているのかなと。

ぼくは、このオークを、さらに病気や障がい等の有無によらない多世代型の本当のバリアルフリーな住まいへと進化させていくつもりです。地縁や血縁によらない新たな互助・循環型コミュニティーへと。
これこそが、これからの社会の新たなあり方だと思います。

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循環型についてはまた別の機会に。

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