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一目惚れか、時間依存性か。

恋愛の話ではないけれども、ある意味で恋愛と同じかもしれない。

患者さんに対してである。

一目惚れか、時間依存性か。
ぼくは圧倒的に前者である。
つまり、一目惚れ。

ぼくの場合、少々偉そうだけれども、出会う前にいくつもの壁がある。

まずもって、診療所を見つけられない。

広告も出していないし、看板もほぼない。
(近所の人ですら、ここに診療所があるということを知らないほど)

そして、ぼくが胡散臭い。
一体全体何の医者なんだという。
表に出て話すわけでもないし。
総合診療もまだまだ市民権も得ていないし、認知症もみたり、心療内科もみたり、何者という感じ。

それに、外来診察時間がかなり限定されている。
初回は1,2時間も話すので、そうそう簡単に予約をとれない。。

極めつけは、わざわざ連絡をいただいても、内容をお聞きの上、たいがい、他の医療機関をお勧めしたりする。

こんな壁もあって、やっと出会った方々です。
かなりの確率で、一目惚れです。

付き合った時間は関係なし。
一瞬で愛情がピークに達して、ピークがずっと維持し続ける。
長く付き合って、つまり時間依存性的にその方への愛情が深まっていくということではない。

さて、今日は、そんな一目惚れの相手が体調が悪いというので、50キロ先に往診してきた。
なぜ、そこまでするのか、とよく言われるが、一目惚れしたからとしか言えない。

似たようなことはいつも言われる。
なぜ、お医者さんが葬儀に参列?
なぜ、お医者さんが葬儀で弔事?

なぜ、なぜ、なぜ、なぜ。。。

医者がやっては、なぜ、いけないのか。
むしろ、その理由が知りたい。

だって、シンプルじゃないか。
一目惚れした相手に尽くすのは。
それが男女の恋愛なのか、患者・意思関係なのかの違いだけだ。

一目惚れだから、刹那的な感情で動いているのだ。
おっと行かなければいけないとか、参加しなければいけないとか。
理屈よりも、感情が先だ。

時間依存性だったら、きっと、そうはいきませんな。

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総合診療をベースに、認知症治療と在宅医療、そして終末期医療に取り組んでいる、事象「患者バカ町医者」の松嶋大が、日々の実践をみなさんに共有し、またみなさんからも共有してもらいながら、これからの「医・食・住」を語り合うサロンです。
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