「私の先生、あなたのお医者さん」
年の瀬です。
まだ振り返るのは早いと思いつつも振り返ると、今年は、ぼくにとっては大きな転換期になった一年でした。
春先に体調を崩し、なんとなく騙し騙しで仕事をしたのですが夏くらいにさらに悪化。
病気が分かり、大袈裟にいえば、いつも以上に自分の命に向き合いました。
決して死ぬような病気ではないけれども、自分も若くなく、無敵で働けないことも痛感しました。
そこから、少しずつ、業務量を制限しました。
来月には、その制限をさらに加速させます。
そうですね、創業以来のピークから見れば、半減近くでしょうか。
(一時は、常勤スタッフだけでも40名近くの所帯(スタッフ)のリーダーでしたが、今となっては5名ほどとずいぶんコンパクトになりました)
経営者としては相当思い切った決断です。
だって、収入が大きく減るんですから。
でも、減っていく収入の一方で、皮肉、いや嬉しいことに、診療の喜びは反比例の如く増しています。
一人ひとりの患者さんと向き合う時間が増え、診察時間は長くなっていますし。
語り合うのは楽しいですよ〜。
ぼくは、担当する患者さんに「私の先生」と言われたいといつも思っています。
そして、ぼくは担当する患者さんと「あなたのお医者さんです」と一人称同士で語り合いたいと思っています。
「私の先生、あなたのお医者さん」
収入が減るという現実と、充実した患者・医師関係における楽しい診察という綺麗事。
現実と綺麗事、この狭間に居ながらにして、ぼくは明らかに綺麗事を選びました。
廃業するか否か。
そんなリスクを背負いながらも、綺麗事を追求する、まぁホントバカな町医者です。
とにもかくにも、昨日を思い煩わず、明日を憂えず、ただ今を、今日を、楽しもうじゃありませんか。