口下手のあがき

人に話を聞いてほしくてnoteを始めたくせに、
通勤中のバスの中でハッと気付いてしまった。

わたし、口下手だあ。

好きなようにしゃべりたかった

幼少期から、一から十までしゃべろうとする子だった。数少ない報告先の母は否定から入る人間のため、しゃべっている途中でも「あんたの話はつまらない」と一蹴されることが多かった。

多感な時期にはいわゆる"オタクの子"は嫌悪対象であり、すくすくと少年漫画で育っていたわたしは忍者のごとく息をひそめていた。

小さな世界で嫌悪されると、生きていけない。
その場所から逃げることも考えつかないし、選ばない。

心から"普通"になりたかったので、自分の事を話さないようになった。

そうしてわたしは自分のことをしゃべるのが下手くそなまま、大人になってしまった。

役者タイプの口下手

わたしは仕事では別人のようにしゃべることができるタイプの口下手だ。
求められた役割をこなそうとする長女気質も関係しているのかもしれない。

仕事中は"わたし"のことは聞かれないし、話す必要がない。
分からなければわからないと言うし、電話の第一声で「馬鹿じゃねえのか」と怒鳴るお客様には「どういった問題が起きましたか」と同じ声量で言う図々しさすらある。
仕事をしながら、仕事の会話をする。そういう”仕事モード”でなんとか生き残っているわたしに、最近入社したばかりのコミュ力の高い後輩から、とうとう「福堂先輩って、私生活が謎というか…謎?不思議?キャラって言われませんか」と言われてしまった。
ごめん、わたしは人見知りでもあるんだ…

それでも学生時代とは違い、ずいぶん息をするのが楽になったと思う。
自分を解放するのが下手くそな人間にとって、自分じゃない誰かになれる場所は生きていくうえで本当に重要だと実感している。


同じくらい、たまに自分に戻る場所も重要だと思う。


解決法を探し中

わたしだって、会話が上手な人になりたい!
太字にするほどモチベーションが高いようで実は低いのだが、地道に解決法を探してみたことはある。

一般的なのは、「上手にしゃべっている人のマネをする」こと。

どんな場所にいても、場を転がすのが上手な人は必ずいる。
そんな人が他者にどんな話を振るのか、気まずい空気をどう流していくのか、楽しい会話をどうつなげていくのか。何を拾い、何を切り捨てていくのか。色々観察をして、ひとつだけでもいいから、マネをしていく。

なんにせよ、会話は「相手への興味」が無いと成り立たない。
話がうまい人は、相手のことをよく見ている。

色んな本にこういった内容が書かれていて、これだけ同じことを言われているのならきっと世界の真実なんだろうけれど、長いこと自分と向き合ってきたヒトモドキとしては毎回「めちゃムズすぎない!?」と叫んでしまう。そして、そのときの自分の声の大きさに驚くことしかできない。

それでも地道に実践していることもある。
合っているのかわからないけど、誰かがまだ試していないかもしれないから、書き残しておきます。がんばってるね、えらいよ。

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【仕事のとき】…仕事モードでありつつ、人間味を出す
「今、質問してもいいですか」+困ってる演技
「助けてください!○○がわかりません!」
 何がしたいのかをわかりやすく伝える。
 結論から話す。現在に至る過程は後からでいい。
 お礼とヨイショは言いすぎな方がいい。
 仕事中の雑談は、たまに相手の顔を見るだけで良い。
  

【雑談】
聞かれたことに答えたら、同じ質問を相手に返す。and you?方式。
相手が答え終わってシン…としてしまったら、「でも意外だなー、〇〇さんてそういうのが好きだったんですね」と答えた内容を繰り返す。

「(途中で何の話をしていたか忘れてしまった時)…まって、楽しくて何の話してたか忘れちゃった」
「(真剣に語りすぎた時)……語りすぎちゃったんですけど、こんな感じでいいですかね…!(または、こんな感じでやってます)」
没頭状態からハッと戻ってくるように言う。

人の目を見るのがつらいときは、鼻のあたりを見る。
鼻のあたりを見るのがつらいときは、首元あたりを見つつたまに鼻のあたりを見る。顔をガン見するより、たまに目が合うことでランダム性が生まれ、適度に相手の刺激にもなるそうだ。
ドンピシャの単語が出てこないときは、「なんとかの刃」「黒いネズミのランド」など、頭に浮かんだものを言ってみる。そんくらいテキトーでいい。

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書き出してみたら、思ったより少なかったことにショックを受けてしまった。でも、ゼロではなかったことにホッとしている。
心のハードルはいつでも低いほうがいい。

そりゃあ、色んな本を読んだり人から学んだりしている人は、「こんな程度か」と思ったかもしれません。

色んな人が実践していることを、わたしも知りたいです。
おすすめの本とか、実践している方法とか、教えてくれたらだいぶ、とても、拝みたいほどに、助かります。

おわりに

不器用さ全開でも、どれだけ恥をかいても、人間であるかぎりは雑談という名の自己開示をしなければならない時もある。全部さらけ出す必要はないとはわかっているけれど、分かってほしいさみしさもある。

人それぞれなんて言えばそこで終わりだけれど、終わってあきらめているつもりの口下手だけれど、実はコツコツあがいて生きている。

わたしと同じようなあなたがいるとしたら、同じ悩みを持つ人がいるということは、解決方法もそれなりにあるはず。「口下手だから」という言い訳も、自分への呪いにならないよう気をつけていこうね。

わたしの話を聞いてくれて、ありがとうございました。
あなたが聞いてほしい話があれば、教えてください。

今日もおつかれさまでした!

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