EPSON ハンドヘルドPC HC-20の修理5
キャパシタの取り外し
前回までの基板清掃でキャパシタについては多少外しやすくなったと思いますのでこのまま全てのキャパシタを取り外していきます。
HC-20の基板はスルーホールの直径が小さいのでフラックスを足してハンダも少し足した方が取り外しやすくなりますのでハンダ多めで。
修理の跡があると思いますのでどのような修理をしたのか確認しましょう
その際キャパシタの足(ランド)を曲げてつけている場合がありますので多少苦戦するかもしれません。
まあどうせ捨てるキャパシタですから再利用しようなどと考えず多少足が片方取れたとかは気にせず取っていいと思います。
取れない場合はドリルビットでランド諸共穴を開けていきます。
ただ、スルーホールは傷つけないように細心の注意を払って行う必要があります。
スルーホールにまで錆が進行しているようであればドリルビットで軽くヤスってあげます。
こうやってひと穴ひと穴丁寧に取り外していくと思った以上に時間がかかります。
ただし、これはラジアルリードのキャパシタだけです
他のたとえば抵抗のような形をしたコンデンサ(アキシャルリード型と言います通常の形はラジアルリードと言います)はもうほとんど手に入ることはないと考えた方がいいので大事に取り外します。
ただ、私見ですがこれは現在の積層セラミックコンデンサと耐圧が異なるだけだと思うのと静電容量が小さいので耐圧が高くても無視できる範囲ということ、また確かにHC-20は内部で5Vと8Vを生成するのですが、その高い電圧がこれらのキャパシタに入ってくるわけではないということで積層セラミックに置き換えても問題ないと考えます。
HC-20に使用されているアキシャルリード型キャパシタは耐圧20Vですが、秋月にも25Vならありますので5V差ならば入手性の高いパーツで良いかと思います。
https://akizukidenshi.com/catalog/g/g105102/
ただ、そう滅多に壊れるものではないのであまり考えなくても良いかとは思います。
その他用意しておいた方がいいパーツとして入手可能なものは以下のものがあります。
あたりは一通り持っておいた方が良いかと思います。
キャパシタの次に交換実績のある部品です。
トランジスタとMB3761について
ちなみにトランジスタや電圧検出器についてはMOSUボードのバージョンによって違いますが2SA1357と2SA1242はどちらを使用しても構いません。
見た目がすっきりするのは2SA1242の方なのでこちらでも良いとは思いますが今ついているものと同じにしたい場合は見た目が同じものを選んでください。
電圧検出器であるMB3761についてはバージョン違いで違うパーツがついている可能性がありますがいずれにしても入手が極めて困難なためMB3761で問題ないかと思います。
※交換実績あります、動作も問題なしです
データシートを確認するとこれで動作しているのがちょっと不思議なんですがその辺のところ知っている方がいれば教えてくださるとうれしいです。
ちなみにMOSUボードのバージョンは複数あります
私が目にしたバージョンは4バージョンのみですのでバージョン2をお持ちの方がいたら写真を頂けると嬉しいです。
私が確認した下記4バージョンの写真です。
※左上と右上段の黄緑色の部品がトランジスタですがこの辺りの部品やパターンに差異があります。
こうして見てみると電源周りのところでかなり苦戦されていたような足跡が見て取れますね。
実際大変だったのだろうなと思います。
ご存命ならばこの辺の話をぜひ伺って見たいものです。
ちょっと話が逸れてしまいました
ダイオードの交換もあるのですがそれはまた次回に。
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