感想戦のコツ(級位者さん向け)
対局後の感想戦や振り返りをしてますか? 藤井君も外出自粛中に自分の将棋(特に負けた将棋)を見つめ直してさらに強くなりましたよね。「やっぱり自分の将棋を振り返ることは大事なんだなぁ」と改めて思いました。
級位者さんにとって感想戦や振り返りは難しいところがあると思います。今回は、級位者さん同士の感想戦を多く見ている経験を踏まえて、級位者さん向けに感想戦(振り返り)のコツを書いてみたいと思います。
必要なものは3つ
対局をする前に必要なものは、以下の3つです。
1.棋譜を残すこと
2.指す戦法を1つに絞ること
3.「雑談力のある有段者さん」か「棋譜解析できる将棋ソフト」
1.棋譜を残すこと
当たり前のことですが、棋譜が残っていなければ感想戦や振り返りはできません(自分の将棋の棋譜を覚えられる人は級位者ではないですよね 笑)。 ネットで将棋を指すときは棋譜が残るので問題ないですが、リアル将棋ではなかなか棋譜を残せません(指しながら棋譜を残すと将棋に集中できませんよね)。そこで、(まちゃれんのように)将棋仲間に棋譜取りをお願いすることをお勧めします!
2.指す戦法を1つに絞ること
指す戦法を1つに絞るメリットは、「同じような局面が実戦でよく出てくるようになる」ことです。結果として、感想戦で勉強した成果を発揮しやすくなります。負けが続くと戦法を変えたくなることがあると思いますが、我慢して同じ戦法を指し続けましょう(ただ、自分の性格に合わない戦法は早めに変えた方が良いと思います 笑)。
3.「雑談力のある有段者さん」か「棋譜解析できる将棋ソフト」
指した将棋の全ての手を振り返っていたら膨大な時間がかかってしまいます。限られた時間の中で効率的に感想戦をするためには、振り返るべきポイントを絞り込まないといけません。しかし、級位者さんにはどこがポイントか分かりにくいですよね。そこで、ポイントを教えてくれる「雑談力のある有段者さん」か「棋譜解析できる将棋ソフト」が必要です(有段者さんにお願いするときは、棋力よりも雑談力のある方にお願いすることが、感想戦を楽しくするコツです!)。
感想戦・振り返りのポイントは2つ
級位者さん同士の将棋を、将棋ソフト「ぴよ将棋」で解析した結果を使った振り返りを紹介します。
初めに、棋譜解析グラフから振り返るポイントを見つけます。下のグラフは、級位者さん同士の将棋を棋譜解析したものです。振り返るポイントに丸印を付けました。
振り返るポイントは以下の2つです。
1.詰みがあった局面(オレンジと黒の丸印)
2.最初に形勢が傾いた局面(赤の丸印)
なぜこの2つがポイントかと言うと、今後の対局に活かせるからです。詰みがあった局面で詰ますことが出来るようになれば勝てますし、最初に形勢を損ねた局面で疑問手を指さないようになれば、序中盤から不利にならずにすみます。それぞれのポイントの局面を具体的に紹介します。
オレンジの丸印の局面
上の図は先手が▲7九金と指した局面です。ここで先手玉に即詰みがあったと「ぴよ将棋」は言っています。この手順を見て、「なるほど!」と思ったら覚えましょう。「はっ?」と思ったら忘れましょう。難しいと思った詰まし方を無理して覚える必要はありません。「なるほど!」と感動した詰まし方を数多く覚えれば終盤力アップにつながります。
黒い丸印の局面
上の図は、後手が△1七竜とした局面です。ここで後手玉に即詰みがあったと「ぴよ将棋」は言っています。この形は後手の「美濃囲い」によくある詰まし方なので、ぜひ覚えましょう!
赤い丸印の局面
最後に、最初に形勢が傾いた局面を紹介します。上の図は先手が▲7五歩と突いた局面です。この▲7五歩に替えて、先手には局面を有利にする一手があったと「ぴよ将棋」は言っています。この戦型を相手にする場合、よくある手なので覚えましょう。
長くなりましたが、級位者さん向けの感想戦や振り返りのやり方をまとめました。ポイントは、「感想戦や振り返りの目的は、実戦でよく出る形を覚えること」です。
楽しみながら自分の将棋を振り返って、棋力アップを目指しましょう!
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