
物価高のシンガポール。プリスクールの学費は月20万超!?
物価の高い国として有名なシンガポール。
2023年11月にイギリスのエコノミストが発表したデータによると、シンガポールはチューリッヒと並び、物価の高い国ランキング1位を獲得。
シンガポールには、割安な公営住宅(HDB)、手頃な価格で楽しめるローカルフードを提供するホーカーセンター、さらには教育費への補助金や国民向けの優遇価格など、生活コストを抑える仕組みが整っています。しかし、これらの恩恵は主にシンガポール国民を対象としているため、実際に大きな影響を受けるのは、シンガポールに居住する永住者以外の外国人であると言えます。
物価高のシンガポールで、プリスクールにかかるお値段とは!?
以前、女性自身で取り上げられた記事によると、オリエンタルラジオの中田敦彦さんと福田萌さん夫妻がシンガポールで3人の子どもを育てる際にかかる教育費が、なんと年間1,300万円にもなるという話題が注目を集めました。
内訳としては、上のお子さん2人が通っているインターナショナルスクールの授業料が年間約5万シンガポールドル(日本円で約500万円)であるとされています。また、赤ちゃんが入園予定の乳児クラスの月謝は2,200シンガポールドル(日本円で約24万円)で、年間約300万円になります。この結果、3人分の教育費を合計すると、年間で約1,300万円に達する計算となるそう。
日本でこの記事を読むと、「ちょっと盛ってるんじゃない?」と突っ込みたくなるかもしれませんが、実は全く盛られていません(笑)。
実際、我が家の娘が通うプリスクールの学費も、18カ月までのインファントケア(Infant Care)で月額SGD2,600強、18カ月以降のチャイルドケア(Child Care)で月額SGD2,300強と、ほぼ中田夫妻の教育費と同じレベル。年間370万強にもなります(改めて計算すると怖くなるレベル)。
我が家は駐在員家庭ですが、会社からの子どもの学費支給は3歳からしか対象にならないため、それまでは全額自腹。駐在員の給料だからこそ支払えていますが、日本に帰国後の給料で同じ金額を教育費に充てるとなると、生活が厳しくなるレベルです(笑)。シンガポールにいる間でも、もし子どもがもう一人いたとしたら、3歳まで自宅保育を選択していたかもしれません(笑)。
シンガポールのプリクールの保育&教育内容とは!?
スクールによりますが、Infant CareやChild Careを提供しているプリスクールでは、フルプログラムを選択すると、朝7時から夜7時までいつでも子どもを預けることが可能です。さらに、朝食・昼食・おやつが提供され、乳児の場合はミルクや離乳食も含まれます。朝から子どもに朝食を用意して食べさせるのは結構大変な作業なので、これは地味にありがたいポイントです(笑)。
プログラム内容も非常に充実しており、日本の保育園や幼稚園のようにサークルタイムで絵本を読んだり、室内で作品を作る活動、水遊びや砂遊び、遊具を使った外遊びといった基本的な活動に加え、さらに多彩なプログラムが用意されています。
乳児向けには、さまざまな素材に触れることで感覚を刺激する活動や、音楽とダンスを組み合わせたリトミックプログラムが用意されています。また、英語や母国語の言語教育、簡単な料理体験、季節の行事、世界各国をテーマにした文化理解プログラム、さらに上のクラスになると、習字などのより高度な活動も取り入れられ、スクールごとに独自の特色を生かした教育が行われています。
さらに、多民族が集まるシンガポールならではの特徴として、ローカルスクールでは英語と中国語(加えてマレー語)を話す先生が在籍していることが多く、バイリンガル教育を受けることも可能です。この環境は、幼少期から自然に複数言語に触れる機会を提供してくれます。
↓いくつかのプリスクールに見学に行った感想記事はこちら。
我が家では、娘が1歳になる年の4月からプリスクールに通わせ始めました。通って8カ月ほどになりますが、今では英語や中国語でも指示が通るようになり、歌を口ずさむ姿も見られるなど、外国語をそれなりに理解しているようです(家では親の日本語英語にあまり反応してくれない娘(笑))。学んだ内容は定期的にスクールから共有されますが、家ではなかなか思いつかないような創造的なアクティビティも多く、子どもにとってクリエイティブな刺激を受けていると感じます。
プリスクールに通うだけでも、リトミック的な活動や言語教育、文化的な学びなど、さまざまな内容を一度に体験できます。これを別々の教室で学ばせようとすると、シンガポールでは1回のクラスに50〜100ドル程度の費用がかかることを考えると、生活習慣を整えつつ教育も担ってくれるプリスクールは、総合的に見ればそれほど高いわけではないかもしれません。
↓シンガポールでの乳幼児向けの習い事体験談はこちら。月謝はかなり高い。
教育大国・バイリンガル環境のシンガポールで教育を受ける意義。
シンガポールの教育費は驚くほど高いですが、多彩な学びとバイリンガル環境が整っており、子どもたちが幅広い刺激を受けることができます。この点では、単に高額な費用とは言えず、価値のある教育を提供していると言えるでしょう(ただし、我が家のような一般家庭が"日本で"同じ金額を支払うのは現実的ではありませんが)。
教育熱が高く、特に若い国民のほとんどが二か国語以上話せるシンガポールで、子どもが質の高い教育を受けることは、グローバル社会で生き抜く力を育てる強い支えとなるでしょう。
教育の正解なんて、大人になってからしかわからないものかもしれませんが、我が家はこの体験が少しでも娘の将来の糧になればという期待を込めて、娘の教育を歯を食いしばってこれからも支えていきます(笑)。
↓6年生のテストで人生が決まるシンガポールの教育についての書籍。さすがに子供が大変すぎるので、最近は徐々に緩和されているらしい。しかし資源のない国が人材育成に力を入れる必要があるのはうなづける。
↓古い本だけど、シンガポールの教育事情について詳細に語られている本(私もこれから読みたい)。シンガポールの参考書を立ち読みしたことは何度かありますが、なかなか難しくて骨があった記憶。
いいなと思ったら応援しよう!
