転校生 2020/4/15
今朝早く起きて、映画「転校生」を観ました。先日亡くなられた、大林信彦監督の作品で、尾道三部作のひとつとして挙げられる1982年の名作かと思いきや、Amazonプライムで検索してみたら、あれ、なんだか違う。
よく見ると、2007年に、同じ「転校生」と言うタイトルで、大林監督が作ったものでした。知らなかった。ホントは、小林聡美と尾美としのりのオリジナルを観たかったんだけどね。残念ながら無かったので、四半世紀ぶりのセルフリメイク版を観てみることに。
ん、タイトルの後に、
〜さよならあなた〜
って書いてある。オリジナルの最後のセリフ
さよなら、オレ、さよなら、あたし
でなく、あなた?なんとなく気になりながら観てみました。
今回の舞台は尾道でなく長野。主人公の斉藤一夫が尾道から長野に引っ越すところから物語が始まります。(オリジナルでは、一美が転校して来たので逆になってます。)長野は母親の実家で、小さい頃長野に住んだこともあり、幼なじみの斉藤一美と再会し話は展開していきます。
25年前のオリジナルと同じく、体が入れ替わる(オリジナルは階段を転げ落ちるのですが、リメイクは.....)ことで2人の生活が一変。思春期の2人には刺激的ですよね、考えただけでも。その生活が続く中で2人の気持ちが少しづつ分かってくる。青春の甘酸っぱさをファンタジー豊かな演出で描いています。
最後は元の身体に戻るのですが、リメイクの結末が違っていた。
〜さよならあなた〜
の意味が、ラストに向かううちに分かってきます。ネタバレするので、この辺で。
それぞれ、尾道転校生、長野転校生とも呼ばれでいるみたいです。オリジナルの1982年版は監督が44歳の作品でリメイクはそれから25年後、69歳の作品。この映画の事を書いた誰かのブログを読んでみたら、こんなことが
尾道転校生は夏の転校生 44歳の時
長野転校生は秋の転校生 69歳の時
大林監督は人生に準えて撮ってたのでしょうか。だからその結末も変わったのかも知れません。願いが叶うのなら、更に25年後94歳の時、冬の転校生を観てみたかった。
遺作となった、「海辺の映画館〜キネマの玉手箱〜」が本当であれば、今ちょうど公開されているはずでした。幸運にも試写会で昨年末に観させて頂いたんです。その時書いた感想が
目まぐるしく場面が変わったり、歴史が前後したり、最初は何がなんだか、理解出来なかったのですが、理解するのを諦めて、そのまま受け入れて観ていくと、後半から観たものが繋がって行って自分の中に感じるものが出てきました。90分で終わったら私みたいな凡人じゃ多分たどり着かない。
いかに歴史を点(18××年に○○が起こったって言うようにイベントごとのように)でしか学んでないことを痛感しました。時代はつながっているのに。
劇場で観客として時代を他人事のように観るのではなく、今の時代の登場人物=役者のひとりとして生きているかを突きつけられた気がした。
私のしょぼい感想より、さとなおさんのnoteを読むとこの映画の凄さが分かります。震えます↓
今、まさにその最中にいます。間違いなく歴史に残る事実。どう演じるかが、一人ひとりに問われている気がします。
大林監督、青春をありがとうございました。また外に出られる日が来たら真っ先に映画館「海辺の映画館〜キネマの玉手箱〜」を観ます。そして、今をどう生きる(演じる)かをもう一度真剣に考えて行動します。
ご冥福を心よりお祈りいたします。