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パチンコ/ミン・ジン・リー(著)

最近、本好きの友人達に超絶オススメしているのがミン・ジン・リー著の『パチンコ』です。

全米図書賞、最終候補作の本作。在日コリアン4世代の壮大な叙事詩は、読み始めてすぐに心を鷲掴みにされました。

実は、上巻は図書館で借りたのですが、あまりに面白くて下巻が回ってくるのが待ちきれず下巻だけ購入してしまったという・・・(笑)。

そして、上巻もやっぱり手元に置きたいと何度も何度も思っています。

1910年、釜山のそばの影島から始まる本作は、ドラマティックな展開にページをくるごとに引き込まれていきます。

私たちが目を背けてきた歴史をも炙り出し耳の痛いこともありますが、過酷な環境でも『生きる』ことに体当たりしていく登場人物達に魅了されました。

個人的には、ソンジャの恋人だったコ・ハンスから目を離せませんでした。『風と共に去りぬ』のレッド・バトラーのようで、とてもカッコ良いのです。

たくさんの不条理と差別を乗り越え、また飲み込んでいきながら生きていく登場人物の姿は時に胸が痛み、時に鼓舞され、時に切なさに涙が溢れ、上下巻を一気に読んでしまいました。

そして、この本の面白さは、滑らかで情緒のある翻訳にもあると思いました。とても自然な翻訳で、まるで元から日本語で書かれていたように読めてしまうのです。翻訳の方の実力に感心しました。

あとがきで、著者の構想から上梓まで30年という期間の長さと取材の様子を知り、この本の面白さの真髄がわかりました。特に、取材先の数は圧巻。これだけのエネルギーをかけた素晴らしい作品を読むことができてとても幸せでした。

本の持つ凄さ・素晴らしさを実感できる作品でもありました。

AppleTVで映像化もされるようですね。コ・ハンス役がイ・ミンホ!!ピッタリでは?!大好きなユン・ヨジョンさんもご出演です!

反日色が濃く出なければいいなと願っていますが、南果歩さん他、日本人も出演するので大丈夫かな?

いい作品になりますように。

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