漫画語りー10.「男」魂ー気合い、根性、生きる精神力ーを呼び覚ます伝説漫画<銀牙〜流れ星銀〜&聖闘士星矢&魁!男塾>
はじめに
みなさん、こんにちは。
あけましておめでとうございます。
ついに2022年がスタートしました!
僕は去年漫画エッセイをほとんど更新してなかったのですが、漫画は相変わらず読み続けていました。
そして今回取り上げるのは、80年代の週刊少年ジャンプで連載されたレジェンド級漫画三作です。割と名の知られた作品だし今更感がありますが、まだまだ知らない人は多いと思います。
そして、三作品どれも熱かったです!
僕は世代ではないのでほぼ初見で読みましたが、約30年前の漫画なのに十分楽しめた、、というか男魂を奮い立たされました!
そんな精神力、気合いを与えてくれる漫画たちですので、新年を迎えて「今年こそは何か頑張りたい!」、または「今年も頑張りたい!」と思っている方に届いてくださると幸いです。
それではどうぞ!
『銀牙ー流れ星 銀』
1980年代に週刊少年ジャンプで連載された漫画。
最初は熊狩り用として生まれ育った秋田犬の虎毛"銀"が、家出して奥羽の野犬たちと共に日本各地から同志を集め、宿敵である熊の"赤カブト"打倒を目指す話です。
4巻から家出した銀の話が始まりますが、ここからとにかく"犬"だらけです。
犬同士で会話して物語が進む作品としては、日本国内で言えばおそらくこの「銀牙」がパイオニアでしょう。
ただ、犬族が主役の物語ですが、昭和時代の血気立った熱さがあります。
顔や体の傷、気性の激しい性格、言葉遣い、ナワバリ争い、義理や人(犬)情、流血の喧嘩、etc…
以上の点から、犬のヤンキー漫画、犬の戦国漫画と言っても過言ではないでしょう。
こんな環境の中"銀"がどのように成長していくかがこの漫画の見所の一つです。
しかし、漫画で描かれる犬たちの人間臭い言動がなんだか可笑しくてつい笑っちゃいます。
そうして迎える宿敵"赤カブト"と犬たち(&竹田じぃ)との決戦(13巻)はキャラも作者も気合が入っていてめちゃめちゃ迫真で必見です。
14巻からの狼八犬士編は正直イマイチなのですが・・・、18巻の最終話は感動しました。竹田のじっ様は気難しい性格ですが、なかなか味があって「銀牙」の物語に欠かせない存在です。
個人的に推したいキャラは紅桜です。
彼が銀の仲間に加わることを決心する場面と、熊のモサとの死闘が非常にグッとくる名場面なので、是非注目してみてください。
動物なのにだいぶ男くさい物語ですが、犬好きな方は興味がありましたら是非読んでみることをおすすめします!
ちなみに、「銀牙」はフィンランドで人気の漫画らしいです。。。
『聖闘士星矢』
これもまた1980年代の週間少年ジャンプを代表する漫画の一つ。
ペガサス星座の聖衣を手にした下級の青銅聖闘士、星矢とその仲間たちが女神アテナと正義のために邪悪な敵と熱く戦う話です。
改めて読むと、青銅聖闘士と黄金聖闘士の関係性は、一護と護廷十三隊の関係性は似てるなぁと思いました。。。その点で、「BLEACH」の前身の漫画と言えるかもしれません。
最初から読み始めると、「なんて理不尽な話なんだ…」と思われるかもしれませんが、黄金聖闘士が登場するにつれて物語が徐々に盛り上がってくるので是非そこまでは読んでほしいです(個人的に黄金聖闘士が活躍してる姿は非常に読み応えを感じます)。
車田先生の作品の中でも宇宙とか星座とか取り扱っている点でファンタジーな世界観のある漫画なんですが、その内部は熱すぎます!
昭和の時代だから仕方ないですが、とことん「男」を追求しています。
どれだけ熱いかというと、以下の星矢の台詞を読むだけでも熱が伝わると思います。
いかがですか?
もはや当時の生半可な世の中に訴える車田先生の詩とも捉えられると思います。
僕はこれを読んで、なんだか生きる勇気をもらいました。
落ち込んでる人は是非読んでほしいです。
「聖闘士星矢」が大人気だった頃、かつての少年たちの界隈で「星座カースト制度」なるものが流行ったそうですが、実際に漫画を読んでその格付けの実態がやっとわかりました。
乙女座生まれに劣等感を抱いてる男子は「聖闘士星矢」を読めば、きっと以前よりも誇らしくなるでしょう。
現在もスピンオフや続編などで聖闘士たちの戦いはまだつづいていますが、是非初代を一読し、そしてアニメ主題歌の「ペガサス幻想」も聴いて、己の小宇宙を燃え上がらせましょう!
『魁!男塾』
ジャンプ作品で「男」と言ったら、間違いなくこの漫画は外せません(笑)。
アメトーークでもテーマになったことがあるため、タイトルだけでも認知してる人はそこそこいると思います。
「男塾」という名の通り、女性は女子と婆さんが初期にちょっと出るだけで、あとは全て男ばかりです(ただしイケメン有)。
したがって、青春真っ只中の男子学生たちのバカバカしくも熱い生き様がひたすら描かれているのですが、はっきり言って滅茶苦茶な漫画です。
まず、舞台である塾の教育方針が現在ではコンプライアンスに引っかかるほどかなり暴力的。
学生が刀を持ち歩き、塾長が戦車を所有するなどあり得ません。
別のところでは、上級生の大豪院邪鬼も初登場時に比べて途中からサイズが小さくなりますし、極め付けは、戦闘で死んだと思った登場人物がなんだかんだあってケロッと生き返ります。
他にも戦闘シーンなどで矛盾を感じる箇所もありますが、逆に言えば、この「思い切りさ」「大胆なアドリブ」こそが男塾の最大の魅力です。
これは、宮下あきら先生が3ページ以降を考えられないけど読者を精一杯楽しませたいという気性だったから、魅力的なド派手演出が生まれたのでしょう。
最近は現実に則った物事を細かく記述する漫画が多いですが、「非現実的な物事や世界観を見せて読者を楽しませること」が漫画の役割だとしたら、「魁!男塾」はうってつけの作品でしょう。
もし読むときは逐一ダメ出しせずに、どうかフィクションとして笑って受け流していただければと思います。。。
「魁!男塾」も時代の流行に逆らえず途中から本格的バトル路線に入るのですが、個人的には鬼教官や特殊な風習など塾のクレイジーさをギャグとしてバカバカしく全面に出してた3巻までがすごく好きです。
男塾には魅力的なキャラがいっぱい出ます。
桃はまさに皆を率いる総大としてかっこいいし、
伊達は硬派でかっこいいし、
富樫や虎丸もガサツで面白い・・・。
けれども、そんな中いつでも僕を強く魅了する人物が塾長、江田島平八です!
インパクトのある髭と禿頭のビジュアルに、バカか賢いのかわからない言動。
口を開けば自己紹介をし、体から非凡なパワーを発揮して・・と、とにかくやること為すこと全て規格外すぎて、塾長が出てくるだけでどんなことが起こるんだろうとすごくワクワクします。この江田島平八の豪快な人間性は是非とも漫画で見て楽しんでほしいです。
昭和に描かれた漫画だけあって、登場する一昔前の野郎達が見せるアホなおふざけ、無茶な行動、根性、闘争心、友情、人情、プライドなどの表現、演出は今の人が読めば古臭いし、むさ苦しいと感じるかもしれません。
でも、そうしたその時代の人たちにあった気質やノリを漫画を通して知ることが実に勉強になると思いますし、昔の男は今の日本男児以上に仲間想いで、活発で、豪快な男気を持ってたかもと思うとかっこよくも感じます。
物語で塾生たちはどんな苦難にも何回失敗しても立ち向かいます。そんな男塾魂を持った塾生たちの姿を是非漫画で見届けて、読者、特に男性諸君は男塾魂を身につけてほしいと思います!
(余談ですが、自分は卍丸の攻撃を見ると星のカービィのカッターコピーを思い出してしまいます。。。)
おわりに
ここまでお付き合いくださりありがとうございます。
80年代のジャンプ作品といえば、やはり「キン肉マン」、「北斗の拳」、「ドラゴンボール」が有名ですが、今回取り上げた三作品は特にそれらと同時代を生きた熱苦しくも魅力的な漫画があった、ということをこのnoteで少しでも伝えることができたら幸いです。
三作品のどれか一つでも通読して(読んだことがある方は久々に読み返して)いただき、
日本人としての漢気、男魂を呼び覚まして、
今年一年生き抜きましょう!
おまけ:<ファンアートギャラリー>
今回紹介した各漫画の小見出しでコミックスを並べた画像を配置しましたが、実はそれらの背景画像は僕がアドビイラストレーターで制作したファンアート、ファンイラストです。一応、自分なりにその漫画の世界観などをイメージして魅力が伝わるよう精一杯作りました。もしお時間がよろしければ、ご覧になっていただけるとものすごく嬉しいです!
<銀牙 〜流れ星銀〜>
<聖闘士星矢>
<魁!男塾>