地域保健 寄稿
多職種連携の実践！
組織の枠を超え
オンラインでつながる強み
消防行政で働く医療職
救急救命士について
『 ピーッ 救急指令 救急いわた1出動 磐田市〇〇〜 』
「感染防止衣、ディスポ手袋よし。機関員は現場確認できた？」
「現場確認しました。」「では、出動しよう。さあ、今回はどんな事案だろう。安全に気をつけていこう。」
私たち消防職員は、救急車を運用している。救急隊は、基本的に3人で活動しており、救急救命士と消防吏員の救急資格保持者で活動する。救急現場はさまざまであり、突然の病気、交通事故や労働災害事故といった事案に対応する。24時間365日休むことなく、救急車は街中を走っている。真夏の炎天下での現場、真冬の凍てついた早朝、台風の風雨の中、どんな時でも119番要請があれば出動する。そして、救急車が要請された現場には、多種多様な人がおり、そのほとんどが初めましてという現場である。具体的には、患者さんやその家族、医療機関や介護事業所の職員や学校の先生、各種事業所の職員などいろんな人とコミュニケーションをとる。そのほとんどの現場で数十分という短時間で関係性を構築しなければならず、救急隊に最も必要なスキルの一つとしてコミュニケーションがあげられる。私が仕事をしている救急隊とは、このような感じであるが皆さんイメージしていただけただろうか。
浜医学生メディカルラリー（２０１９年１２月）
リアルで繋がるということ
オンライン市役所が発足した当時、私はすぐに入庁を決めたがなぜ、すぐに入庁したかを思い出してみる。消防職員歴も10年以上となり、コミュニケーションスキルや現場力といったノンテクニカルスキルを学びたいといった動機があったと記憶する。救急医療スキルは、休日を活用し病院職員や他組織の消防職員と日々研鑽していた。しかし、私は救急医療スキル以上にノンテクニカルスキルが重要であると感じてはいたものの、どのように勉強したらよいか当時悩んでいた。そんな時、オンライン市役所スタートのきっかけである”よんなな会”と出会う。よんなな会の主宰者である脇雅昭氏が伝えている『日本にいる388万人の公務員の志と能力が1％上がったら、世の中はめちゃくちゃよくなるんじゃないか』この言葉に感銘を受けたのが、2019年に行われた”よんなな会＠横浜ランドマークタワー”である。よんなな会の活動は、Facebookを利用し見ていた。SNSを通じて知っていた活動に、リアルで参加することができ心が熱くなったことを今でも覚えている。この時期行政職員として私は、健康福祉部の事業である『まちの保健室』に注目していた。市民と直接話す機会が、予防救急に効果的だと感じ、保健師さんたちと連携して『まちの保健室✖️消防』を実現しようとしていた。しかし、2020年パンデミックが始まり全ての活動が止まってしまった。
出会いの前倒し
オンラインだからこその価値
2020年３月よんなな会が、東京丸ビルで開催予定であり私はリアルで参加予定であった。しかし、2020年２月には公立小中学校の休校、新型コロナウイルス感染症の影響で社会が大きく動いたのを皆さん覚えているだろうか。よんなな会＠丸ビルの開催が難しい中、2020年３月８日、なんとオンラインでの開催が決定する。今でこそオンラインイベントは一般的になったが、当時はZOOMアプリの存在を知っている人がほとんどいない状況で、300人規模のオンラインイベントを開催することは、とてつもなくすごいことだったと思う。参加者のため事前にZOOMを利用したイベントをほぼ毎日行っていたと記憶するが、これこそ『誰1人取り残さない』ための行動であった。このオンラインイベントは大成功に終わり、私は感動で泣いてしまったのを今でも覚えている。進行を担当していた脇さんも画面越しに号泣する場面もあり、その影響が強かったかな。その後、世の中はパンデミックで緊急事態宣言が政府よりだされるなか、オンライン市役所が2020年４月に開始される。何が正解かわからない状況で、課題を一つずつ丁寧に分解し、できる事をできる人ができるだけ貢献してきた結果、今や5000人を超える公務員が参加するオンラインプラットフォームに成長している。私もできる範囲で貢献して、庁内放送にも何度か出演させてもらった。今はオンラインの特徴である『出会いの前倒し』を意識している。2020年10月には全国男性保健師の集い＠愛知に参加、他にも全国のオンライン市役所メンバーと直接会うことを意識している。そして、その出会いを活かし、多職種で地域に貢献できる医療従事行政職となるために実践中である。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか？