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今週の相場振り返り(6.24〜6.28)

ポイント要約〕
・日本株は配当金の再投資が相場をささえる。
・米国株はハイテク関連と物価の先行きに注目
・為替は37年半ぶり円安が加速。
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日本株〕
6月初頭から軟調地合いが続いた相場が一気に巻き返した。
毎年のことだが6月末は株主に対する配当金の支払いが集中するが、今年はどこか雰囲気が違う。配当金の再投資がより一層活発になっている様相が窺える。これはまさに新NISA効果だ。新NISAは長期投資を目的とするものだ。配当金を再投資して複利で回していこうとする考え方が一般大衆に広がりを見せた。そうすると、主力の大型株や割安株に投資資金が向かいやすくなる。実際に株式市場にも株価となって現れた。今週にも再び4万円台を回復する見方もあったが、海外市場の動きに影響されて実現しなかった。

今週は株主総会開催が集中した。
今年は株主提案を受けた企業が91社と過去最高となった。一番の目玉となったのがダイドーリミテッドだ。投資ファンドのストラテジックキャピタルが業績不振を鑑みて新たな社外取締役選任を提案した。結果は株主提案が一部可決する内容となった。企業としても株主の意見を無視してはならないという意識を植えつけた。
その他、大阪製鐵、淀川製鋼所、北越コーポレーション、京成電鉄、三菱UFJフィナンシャル・グループ、日産自動車、マツダなどそれぞれ問題を抱える企業の株主総会が開かれ、株主から追求を受ける企業が多くあった。
株主質問のほうで、資本効率の改善や株主還元の拡充を訴える質問や意見が多発、議案の賛成率も前年と比べて低くなるなど、物言う株主がじわじわ増えてきている。
私も野村ホールディングスと王子ホールディングスの株主総会に出席した。私も株主質問で株主還元や政策保有株の処理について質問をぶつけた。

コーポレートアクションでは6月権利確定ということで、日立製作所や三井物産など株式分割が行われた。ちなみに、日立製作所は9年ぶりにソニーグループの時価総額を抜いた。

今週あたりから小売業の第一四半期決算が発表されている。百貨店大手の決算は個人的に驚かされた。高島屋やJフロントリテイリングは業績予想を上方修正した。想定以上のインバウンド消費拡大、海外事業の好調、円安効果、それが業績を後押しした。百貨店の業績は景気を占うものだ。しかし訪日客消費に頼るものであり、国内の消費は上がっていない。実際に直近のGDP個人消費は6四半期連続でマイナスとなっている。国内消費をどう引き上げるのか、政府と企業の努力が一層試される。
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米国株〕
米国株は今週末時点で3指数揃って下落して引けた。消費関連株が下落した一方で、ハイテク関連がじりじり戻ってきた。
まず経済指標から確認していく。
コンファレンスボード消費者信頼感指数が前回より低下した。ホームデポやウォルマートが消費関連株が下落した。インフレが長期化している表れだ。28日発表の5月個人消費支出物価指数は総合とコア指数ともに市場予想と一致した。インフレは鈍化しているがインフレ目標を未だ上回る状況だ。
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企業決算も冴えない。
ウォルグリーン・ブーツ・アライアンスの3-5月期決算は増収増益だが通期業績予想を下方修正した。ナイキの3-5月期決算も減収減益で売上高は2%減収だった。ウォルグリーンとナイキは決算発表後時間外で大幅下落した。2社ともNYダウ採用銘柄であり、週明けダウは値を戻したが、上昇の持続性を欠く状況となった。
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ハイテク関連では、エヌビディアが軟調だったが値を戻してきているが、マイクロン・テクノロジーの3-5月期決算が全体相場の足を引っ張ってしまった。決算自体は増収増益だったが業績見通しが弱いことが嫌気された。半導体や生成AI分野の成長性に相当な期待感があったように思われる。その期待感が業績見通しが上回ってるか、下回っているかで相場の先行きが決まってしまうという状況となっている。これは米国だけに限った話ではなく、欧州や台湾、韓国、日本などのハイテク関連企業でも同じようなことが起きている。
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今年11月に米国大統領選挙を控える。
27日に大統領選候補者によるテレビ討論会が初開催され全米の有権者、世界の誰もが注目した。
個人的にはトランプ共和党候補のほうが勢いがあったように思われる。討論会後の調査でもトランプ氏有利の状況だ。市場でも【もうトラ】を織り込み始めるだろう。
もしトランプ氏が大統領を返り咲くとなれば市場の流れも変わってくる。ドル安志向が強いため現在のドル高が是正されるカタリストになりうるし、中国に対する更なる関税引き上げ、大型減税策などを掲げることになれば、米国の金融政策の方向性がどこに向かうのか不透明な状況になる可能性も考えられるため、注視しなければいけない。
現状言われているのは、大統領選挙を終えてからFRB(連邦準備制度理事会)が利下げに動くのではないかというのが大勢だ。
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為替〕
為替は円安基調が一段と強まった。
6月日銀会合・主な意見は「遅きに失することなく適時利上げ」「利上げは中長期のインフレ率を経済指標で確認してからでも遅くはない」など利上げに対する意見が多く出た。
これは特段為替に影響を与えるものではなかったが、26日にFRBボウマン理事が「利下げはまだ適切ではない」との発言があった。
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これ以降、円安ドル高が加速して160円台、161円台を突破。1986年12月以来37年半ぶりの円安ドル高となった。4月末から5月初めに行った為替介入の効果が見事に消失した。
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ドル円だけでなく他のクロス円相場でも円安が進んでいる。ユーロ円は172円台と円安ユーロ高が進み1999年ユーロ導入以来最安値を更新した。
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政府日銀が再び為替介入に動くのではないかという観測が飛び交う中、まだ動きは見られない。そんな折、財務省の神田真人財務官が7月末に退任する人事が発表された。退任までの間、神田体制下での為替介入はあるのか市場は注視している。
個人的には為替介入したところで、本質的な円安は止められることはないと考えており、日本経済の構造的問題として貿易赤字やデジタル赤字の黒字化、対内直接投資を拡大させるといった経済政策を進めていかないと本当の意味での円安是正には繋がらないと考えている。
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来週の政治・経済指標 企業決算等予定🗓️
1日
🇯🇵日銀短観
🧮決算⇨象印マホービン
🇨🇳財新製造業PMI
🇺🇸ISM製造業景気指数
2日
🗳️総代会⇨日本生命保険、明治安田生命保険、住友生命保険、朝日生命保険
🧮決算⇨霞ヶ関キャピタル
🇪🇺HICP
🌏ECBフォーラム パウエル議長🎙️
🇺🇸JOLTS求人件数
3日
🇯🇵新紙幣発行
🧮決算⇨エービーシーマート、アスクル、ワールド
🇺🇸ISM非製造業景気指数
🇺🇸ADP雇用報告
🇺🇸FOMC議事要旨
4日
🧮決算⇨キユーピー、アヲハタ、クスリのアオキ、オンワードHD
🇬🇧総選挙
🇺🇸休場
5日
🧮決算⇨安川電機、ハイデイ日高、トーセイ
🇺🇸雇用統計
7日
🇯🇵東京都知事選投開票
🇫🇷下院選 最終戦
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