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朝井リョウの「桐島、部活やめるってよ」について
今回紹介するのは朝井リョウの「桐島、部活やめるってよ」という小説である。
私は中学生の頃に初めて読んで以来、自慢ではないが十回近く読んでいる。
内容を簡単に説明する。県立高校のバレー部のキャプテンである桐島が部活をやめる。というところから物語が始まる。それから、桐島ではない同じ高校の生徒の日常が描かれる。以上。タイトルの桐島という人物は回想には出てくるが、現在の時間軸では出てこない。
だか
カズオイシグロの「わたしを離さないで」について
カズオイシグロの「わたしを離さないで」を読んだ。最初に読んだのが大学生の頃で、数年の時を経て今回で2回目となる。物語の細かい部分をほとんど忘れてしまっており、再読にも関わらず次はどうなるんだろうと思いながら終始ページをめくっていた。
この話は提供人と呼ばれる臓器を提供することを目的として生まれたクローンたちの話である。提供人は幼少時代から青年になるまで施設で過ごし、その後外の世界で数年間時を過
トルストイの「アンナ・カレーニナ」について
※作品のネタバレを含みます。ご了承してお読みください
トルストイの「アンナ・カレーニナ」を読んだ。翻訳は新潮文庫版の木村浩訳である。1冊が580~759ページのものが3冊だから、読み通すのに2週間以上もかかってしまった。中々骨の折れる読書だった。
トルストイの長編で読んだことのあるのは「復活」だけで、著者の代表作である「戦争の平和」や「アンナ・カレーニナ」は恥ずかしながら未読だったので今回
村上春樹の「スプートニクの恋人」について
村上春樹の「スプートニクの恋人」を読んだ。知らない人も結構多いのではないか。ノルウェイの森などの有名どころと比べるとマイナーな作品である。私は何回か既に読んでいるが、いつも内容を忘れてしまう。村上春樹の小説では結構よくある現象である。うまく内容を整理できないのか全く物語が頭に入ってこないのだ。単純に私の脳味噌の性能が悪いだけかもしれない。
スプートニクの恋人の主要な登場人物はぼく、すみれ、ミュ
町屋良平の「ショパンゾンビ・コンテスタント」について
町屋良平の「ショパンゾンビ・コンテスタント」を読んだ。町屋良平は一時期はまっていたが、最近は全然読めていない作家だ。今回久し振りに読んでみようという気になった。理由は特にない。
この小説は主人公と源元が主人公の部屋でショパンコンクールというピアノのコンテストを観ながら2人がだらだらと過ごす場面から始まる。主人公は小説を書いていて、その小説に源元を登場させていいかと尋ねて許可をもらう。2人は音大
中村文則の「去年の冬、君と別れ」
中村文則の「去年の冬、君と別れ」についてを読んだ。初めて読む本である。女性を燃やして殺害し死刑囚になった写真家を取材するライターの話である。
冒頭ではライターが写真家と拘置所で面会するシーンから始まる。ライターはその後も、写真家の姉、友人などと面会し、写真家がなぜそのような事件を起こしたのか真相に迫っていく。あらすじはこんな感じである。
この作品を読んだ感想は一言で表すなら非常にややこしい小
村上春樹の「1Q84」について
村上春樹の「1Q84」を読んだ。ハードカバーで3冊もある長い小説だ。いつ読んだかは定かではないが、一度だけ読んだことがありいつか読み直そうと思っていた本の1つだ。軽い気持ちで手を出したが随分と時間が掛かってしまった。しばらくは読み通すのに1週間以上掛かりそうな本を読むのは控えようと思う。
「1Q84」を一言で表すなら、子供の頃に離ればなれになった10歳の少年少女が30歳の大人になって再会する物
遠野遥の『教育』について
遠野遥の『教育』を読んだ。ここ数ヶ月の間に、『改良』と『破局』を読んだから遠野作品は今回で3作目だ。過去に読んだ2作と比べて、『教育』はページ数も多いので途中で飽きてしまうかもしれないと思ったがそんなことはなかった。すぐに引き込まれてあっという間に読み終えてしまった。想像以上に面白かった。ただ、どういうところが面白かったと言われると説明に困ってしまう。まだ、自分の中でうまく言語化出来ていないのだ
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