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箪笥に使われることで有名な・・・

こんにちは。macasellです。
「箪笥(たんす)によく使われる…」と聞くと大抵の方は『桐(きり)』を思い浮かべるのではないでしょうか。今回は古くから日本の生活に馴染み深い『桐』に関するお話しです。




桐とは?

桐は5〜6月頃には薄紫色の花、秋には雫型の実がなるキリ科の落葉広葉樹です。

正確な原産地は不明ですが、国内では古くから日本の大分県・宮崎県の県境に自生していたと言われています。現在、東北地方、関東北部、新潟県で栽培されており、福島県、青森県、岩手県の会津桐、南部桐が有名です。また海外だと中国大陸、南米、アメリカに分布が確認されています。


桐の特徴とは?

高木で、成長すると高さは10〜15m、幹の直径は50cm程。
樹皮は灰白色で日当たりの良い所を好み、比較的早く成長し材木として使うことができます。日本ではデイゴと並んで最も密度の低い軽い木として重宝されてきました。

比重0.20〜0.40ほどとされ、水に浮かべることができます。
木材としては柔らかさ故の加工の難度はあるものの、接着性等は良好。
木目も程よく艶のある木です。
明るい色味も柔らかい印象で、シーンを選ばず使えます。
反対に柔らかいため傷は付きやすく、強い衝撃や力を加えたりする用途には向きません。


どうして箪笥に使われるの?

桐は先ほどお話ししたように、密度が低く軽い木の為、断熱性と耐湿性(防湿効果)に優れており、重量が軽いことから、他のものに比べ掃除の際などの移動が容易です。
乾燥時にも暴れにくく収縮率が小さい為、狂いも少ない木です。

独特な匂いも特に無く、多湿な日本の風土ではその性質を利用して家具、特に和家具、箪笥に使用され衣類を守ってきました。

桐は発火点が高く熱伝導率がとても低い為、耐火性も他に比べて優れています。
江戸時代に発生した大火事の後、桐箪笥が多く焼け跡に残っていたことからよく売れたと言われています。

かつて日本では女の子が生まれると桐の木を庭に植え、結婚する際にはその桐を伐採し桐箪笥や長持を作って嫁入り道具にするといった風習もありました。


箪笥以外にも使われるの?

現在でも桐の木材は琴や箏、琵琶といった和楽器や下駄材、箱材、木炭などの他に熱伝導率の小ささからキッチン・ダイニング用品としても使われています。

特に桐箱は高級菓子の化粧箱や、刃物・雑貨の梱包材としても使われており、目にする機会も多いのではないでしょうか。
焼き印やレーザー刻印との相性も良く、軽量であることからパッケージの素材としても優れていると言えるでしょう。

他にもアイブローや火薬、カイロとしても使われることがあったようで、その用途の広さには驚かされます。

また皇室、公的機関、武家、勲章、国章、金貨、硬貨といったものの紋章としても使用されており、それらを「桐紋」と呼びます。


広がる桐の用途

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