ゴーヨク堂
自分は常日頃、必死に謙虚なふりをしているが、本当は欲深いということに突然気づいた。
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ゴーヨク堂とは、野ブタをプロデュースというドラマに出てきた、美男美女しか立ち読みをゆるされない(今だったら問題かもね)本屋の名前である。
ちなみに店主は、今は亡き忌野清志郎。
このドラマには、清志郎さんと夏木マリさんが出ていて、信頼できる大人の役を演じていた。
彼らの存在は、放送当時主人公たちと同世代の高校生だったわたしにとって、ちゃんとみててくれる大人もいるんだ、きっと世の中捨てたもんじゃない、という一筋の希望になった。
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で、欲の話に戻ると。
わたしは自分の強欲を隠したいあまり、必要以上に謙虚に振る舞っていたようだ。
いろんなことを抑圧して、自分をがんじがらめにする傾向があるので、これに気づけたことはとてもよかった。
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尊敬するジェーン・スーさんと、二村ヒトシさんの対談で、「男性は弱さを、女性は欲を表に出すことが難しい」と言っていた。
あ、わたしだけじゃなかったんだな。
男性も、女性も、かくあるべきという圧によって、歪な自分を出せずにいたのかもしれない。
きっと、どこかのタイミングで謙虚でいることが求められたんだね。欲深さを表に出すことは、はしたないという考えを植え付けられたんだな。
すぐに変わることはむずかしいけど、まず自覚することが第一歩だ。
欲深くたって、人から横取りしなければきっと悪いことじゃない。
わたしは自分の強欲さを認め、堂々としていようと決めた。