評判の悪い赤ちゃんー育てづらい子
何を隠そう、私は評判の悪い赤ちゃんでした。
「寝ない・食べない・泣き止まない・懐かない」と、ない事尽くしの母親泣かせでした。
今でも寝つきが悪く苦労しているのですが、赤ちゃんの頃からだったようです。
眠った私をそーっとそーっと布団に寝かせ、ようやくひと息つけると母親がホッと部屋を出てまもなく、トットットと歩いて来る私の足音にガッカリしたこと数知れず………。
ミルクの飲みも悪かったそうで。
やっと50cc飲んだ!とホッとしたのも束の間、ゲロッと吐いてしまい、苦労は水の泡………。
とにかく泣く子だったそうで、母親がおんぶしていないとダメだったようです。
母は四六時中、私をおんぶして一日を過ごしていたのだとか。
一度、実家に私を預けて母親は美容室へ行きました。2時間ほどだったと思うのですが、私はずっと泣き通し。祖母も伯母もお手上げだったそうです。
美容室から帰ってきた母に祖母は「うるさいけん、早よ連れていね」(うるさいから早く連れて帰れ)と言い、母はとっても悲しい思いをしたそうです。
この光景を想像するだけで毎回胸が潰れそうになります。
手を焼いたエピソードは相当数あり、未だに両親や親戚から大変な子だったと苦情を言われます。
身に覚えはありませんが、辛抱強く育ててくれたことに感謝して、ひたすら謝っています。
3歳下の妹が生まれてからは面倒見もよく、悪評は一旦収まったのですが、ふらりといなくなる癖が始まり、その度に両親は肝を冷やしたそうです。
他の人より何倍も親孝行しなくてはならないところですが、出来の悪い子はなかなか大成できず、さしたる親孝行をできずに時が過ぎていきます。
毎年、母の日にプレゼントしたりコンサートや食事に招待しますが、本音は「こんなもんじゃ割に合わないだろうな」と感じています。
今年もぼんやりそんなことを考えていました。